5/12は「クリミアの天使」フローレンス・ナイチンゲールの誕生日である。彼女の功績を称え1965年に国際看護師協会により「国際看護師の日(ナイチンゲールの日)」と制定された。
クリミア戦争で看護に尽力した後、その経験から看護師教育等看護システム全体の改善に貢献。ナースコール・ナースステーション等は彼女の考案によるものである。
2021/9/13に厚生労働省は「医薬品産業ビジョン2021」を策定した。
国民の健康と生命を守り我が国の経済成長を支えるという観点から、今後5∼10年を視野に以下の2点の実現を目指している。
(1)世界有数の創薬先進国として、革新的創薬により我が国の健康寿命の延伸に寄与するとともに、医学研究や産業技術力の向上を通じ、産業・経済の発展に寄与すること。
(2)医薬品の品質確保・安定供給を通じて、国民が安心して良質な医療を受けられる社会を次世代へと引き継いでいくこと。
2019∼2026年の全世界売上の年平均成長率9.6%が見込まれるバイオ医薬品の製造はビジョン達成の重要事項であるが、開発の複雑化・長期化が進み製造にも膨大な初期投資が必要とされる。創薬にはベンチャー企業の役割が大きいが、資金力の不足が課題となっている。
開発費の増加も続く中、競争力の源泉となる創薬に資源を集中させるための活用が期待されるのが「水平分業」、受託製造である。
医薬品受託製造企業は「CMO(医薬品受託製造企業)」と「CDMO(医薬品受託開発製造企業)」があり、CMO・CDMO市場規模は2024年に2400億ドルを超えるとの見方もある。
現状の製造規模ではスイスや韓国等海外企業が全世界製造能力の約70%を占めているが、日本では異業種からCMO・CDMO事業に参入する企業が相次いでいる。M&A等を通じて事業を拡大し、海外大手と比肩する事業規模に成長した企業も現れている。
富士フイルム(4901)は延べ約6000億円をバイオCDMO事業へ投じると発表している。新たに開発した「連続生産」という手法で25.3期には同事業の売上高を21.3期比2倍の2000億円を目指す。
CDMOとして25年以上の実績を持つAGC(5201)も2022∼2025年に計2000億円以上を投資、2025年売上目標2000億円の1年前倒しを目指す。国内外で遺伝子細胞治療分野を強化していく。
またJSR(4185)は2015年に買収した多品種少量生産に強みを持つ米KBIの技術を生かし、「個別化医療」というニッチな分野に注力する。
(投資情報部 佐藤)