6/23~27の中国株式市場は、香港市場は軟調、本土市場は方向感のない展開を見込む。
景気刺激策で耐える中国景気
6/16に発表された5月主要経済指標は、中国景気が政府の景気刺激策で米国の対中追加関税に耐えている姿を浮き彫りにした。固定資産投資は不動産投資の不振もあり減速。ただ、消費は強く、小売売上高は前年同月比+6.4%へ加速、特に家電販売は補助金制度の恩恵で同+53.0%となった。このため、鉱工業生産は同+5.8%と高い伸びを維持した。
米越貿易交渉にも注目
一方、6/10に2回目の米中閣僚交渉で米中が合意に達したと発表されたが、その後に詳細は発表されず、合意に至っていないと推測される。一方、中国にとって重要である米・ベトナム交渉が大詰めを迎えている。ベトナムは中国にとって対米迂回輸出の主要中継地とみられるため、米国は対ベトナム追加関税引き下げの条件として、中国製品の迂回輸出取り締まり強化や中国技術への依存低下を求めている。ただ、ベトナム経済の中国依存度は高く、ベトナムがこの条件を受け入れるとは思えないが、受け入れた場合は他の迂回先国が追随する可能性もあり、注意を要する。
6/23の週は香港市場は売りが出やすい可能性
6/23の週は中国で大きなイベントはないため、本土市場は方向感のない展開となろう。一方、香港では香港ドルの対ドルレートがレンジ下限にあり、金融当局が介入で市場金利上昇を誘導するとみられる。そうなれば短期的に香港株式市場で売りが出やすくなろう。また、トランプ大統領が米軍のイラン攻撃の可能性を示唆しており、そうなれば一時的に株価が下振れることも考えられる。
(6/19朝記 投資情報部 白岩)