6/16~20の中国株式市場は確りの展開を見込む。
トランプ関税の影響が広がりつつある
米国の対中追加関税は5/10~11の第1回米中交渉で145%から30%へ引き下げられたが、6/9に発表の5月の米国向け輸出は前年同月比▲34.5%と、4月の同▲21.0%から更に減少。輸出全体は同+4.8%と3月の同+12.3%から2カ月連続で鈍化した。米国からの輸入も同▲18.1%と大幅に減少した。輸出動向の不透明感もあり、中国国内では供給過剰になったとみられ、5月の生産者物価指数(PPI)は同▲3.3%と4月(同▲2.7%)から低下ピッチが加速した。トランプ関税の中国経済に対する影響が広がりつつあるようだ。
米中はジュネーブ合意の実施枠組みに合意
このような中、6/9~10に2回目の米中交渉がロンドンで開催され、6/10に両国は「『ジュネーブ合意を実施するための枠組み』に合意した」と発表。中国によるレアアースの輸出規制緩和が合意内容に含まれているようだが、詳細は不明。合意報道を受け6/11 の中国株式市場は上昇したものの、主要株価指数の上昇率は小幅に留まった。
米中の貿易枠組みを巡る緊張は徐々に緩和へ
6/16の週は、6/16に5月の主要経済指標の発表が予定され、消費の指標等が下振れする可能性がある。また、米中合意の詳細も明らかになるとみられるが、期待外れの可能性もある。ただし、米中は今後も交渉を継続するとみられ、交渉を重ねるにつれ、米中の貿易枠組みを巡る緊張は徐々に緩和しよう。中国株式市場は一時的に軟調な地合いになることも考えられるが、米中関係の改善期待から上昇傾向を維持すると見込む。
(6/12 記 投資情報部 白岩)