4月の中国景気は確り
5/26~30の中国株式市場は個別物色の展開を見込む。
5/19に発表の4月主要統計は米国関税の中国経済に対する影響が限定的であることを示した。GDP成長率と相関が高い鉱工業生産は前年同月比+6.1%と、高い伸びを維持。牽引したのは輸出で、米国向けは大幅減だが第3国経由の米国向け迂回輸出が活発化しているようだ。米貿易相手国の相互関税が10%にとどまる7月9日までは、中国からの迂回輸出は活発化し確りとした景気も続こう。期待される財政支援策は輸出の伸びが落ち込むとみられる7月以降と推測される。
金融緩和は先行
ただ、4月CPIが前年同月比▲0.1%とデフレ傾向にあるため、5/20には昨年10月以来となる1年物最優遇貸出金利の引き下げが実施された(▲0.1%ptの3.0%)。
CATL上場で活気立つ香港市場
また、香港市場では、5/20に今年の世界最大のIPOである寧徳時代新能源科技(CATL、03750)が香港市場に重複上場、初日はIPO価格から16%上昇した。本土と香港と両市場に上場する銘柄は、概ね本土価格が香港を上回るが、CATLは香港価格が本土価格を上回り、香港市場の健在を印象付けている。
市場は穏やかな上昇の中 個別物色の展開か
5/26の週は、週末の5/31に予定される5月購買担当者景気指数(PMI)の発表を除き、主要なイベントが乏しい。ただ、金融緩和が続くとみられ、中国市場は緩やかな上昇傾向を維持しよう。月末にかけて大手企業の業績発表が続くこともあり、個別物色の展開になると考える。
(5/21 記 投資情報部 白岩)