5/19~23の中国株式市場は上昇基調を維持しよう
米中貿易が大幅に縮小
5/9に発表の4月貿易統計では、輸出全体の伸びは前年同月比+8.1%(3月同+12.4%)と高い伸びを維持したが、米国向け輸出は同▲21.0%と大幅に減少。また、米国からの輸入は同▲13.8%となった。4/9以降に米中で導入された100% を超える追加関税を背景に米中貿易は大幅に縮小した。
米中合意で今後の交渉に期待
追加関税の米中経済への影響を懸念し、両国は5/10~11に第2次トランプ政権下で初となる閣僚級の貿易協議を実施。 米中は90日間、追加関税率を各々115%pt引き下げ、米国の対中追加関税は30%、中国の対米追加関税は10%とした。事前にトランプ大統領が「中国の追加課税は80%が適切」と発言していたにもかかわらず、30%まで引き下げたことから、共同声明が発表された5/12のハンセン指数は前日比+3.0%と、大幅高となった。最終的な合意にはまだ紆余曲折が見込まれるものの、第1回の米中交渉で中国が予想以上の成果を生み出したことから、今後の交渉に期待が持てよう。
米中合意とCATL上場で中国株式市場は上昇基調を維持へ
5/19の週は、週初の5/19に4月主要経済統計が発表予定。米国向け輸出の不透明感から鉱工業生産の伸びが大幅に鈍化すると見込まれ、株価は嫌気しよう。ただ、今回の米中合意で中国に対する過度な懸念が後退したことに加え、今年最大のIPOとみられる寧徳時代新能源科技(CATL)の香港市場への上場が5/20に予定される。同社の上場が欧米投資家の中国市場への回帰を後押しする可能性がある。中国株式市場は押しなべて上昇基調を維持しよう。
(5/14 記 投資情報部 白岩)