5/12~16の中国株式市場は上昇基調を維持しよう。
4月PMIが低下し金融緩和を実施
4/30に発表の4月購買担当者景気指数(PMI)は事前の予想通り輸出が下押しし、製造業PMIは3カ月ぶりに景況感の分岐点である50を下回った。また、企業は消費等への影響を懸念しているのかサービス業PMIも若干低下。これを受け、金融当局は5/7に0.5%ptの預金準備率引き下げや0.1%pt の7日物リバース・レポ金利切り下げ等の10項目の金融緩和策を発表、景気安定を維持する意志を示した。
足もとの消費は堅調
ただ、足もとの消費は堅調に見える。トランプ関税実施後初の長期祝休日となる労働節(5/1~5)では小売売上高が前年同期比+6.3%と、伸び率が3月の同+5.9%を上回った。政府の補助金制度で家電、自動車、携帯電話等の販売が好調だったとみられる。また、国内旅行関連収入は同+8.0%と、伸び率は春節の同+7.0%を上回った。
米中貿易交渉が開始
待望の米中貿易交渉が5/10∼11にスイスで行われる。1回目の交渉では大きな進展は期待できないものの、交渉が始まる意義は大きいと考える。
株価は米中交渉を好感へ
5/12の週の中国株式市場は米中貿易交渉の開始を好感し上昇しよう。ただし、寧徳時代新能源科技(CATL)の香港上場に対するブックビルディングが始まる見通しで、そうなればCATLへの投資資金を確保するために上場銘柄が売られることも考えられる。また、翌週の5/19に4月主要経済指標の発表が予定され、鉱工業生産の伸びが大幅に鈍化するとみられる。中国株式市場は売りに押される場面もあろうが、米中貿易交渉開始という好材料に支えられ上昇基調を維持すると考える。
(5/8記 投資情報部 白岩)