3/10~14の中国株式市場は、香港市場が利食い売りに押される一方、本土市場の下値は限定的と考える。
景気への影響が大きい不動産市場は、新築販売が改善傾向にあり、今年2月の主要100社新築住宅販売金額は前年同月比17.3%増となった。また、3/1に発表の2月購買担当者景気指数(PMI)からは、中国景気が昨年後半に下げ止まり、今後の持ち直しの期待が強いことを示した。ただ、3/4に米国が中国製品に対する追加関税を10%(2/4発動)から20%へ引き上げたため、中国景気に対する影響が懸念される。
全国人民代表大会(全人代)が3/5~11の日程で開催されている。初日に発表された「政府活動報告」では今年の成長目標を昨年同様に+5%前後に設定。景気刺激策の強化等で財政支援が拡大し、財政赤字額はGDP比4%前後と昨年から1%pt引き上げられた。また、政府は企業の競争力強化等を含む産業政策に、今年の政策説明時間の約1割を費やし、政府が重視していることを示した。同日の香港市場は「政府活動報告」を好感し、ハンセン指数は前日比2.8%上昇。
ハンセン指数は1/13から2/26までの1カ月強で26.0%上昇と急騰したため、目先、利食い売りに押されよう。ただ、民間企業に対する具体的な支援策が発表されるに伴い、ハイテク株を中心に再び株価は上昇すると見込む。本土市場はハイテク株の比率が相対的に高い深セン市場の方が上昇しやすいと考える。
(3/5記 投資情報部 白岩)