◇25年GDP成長率は4.5~4.8%を予想
中国の新築住宅販売金額は過去最高だった21年から急減したものの、政府の住宅販売促進策もあり、24年10月以降は持ち直しつつある。消費者心理も改善しつつあり、25年の消費は堅調に推移すると見込む。
トランプ米次期大統領は中国製品に対し60%超の関税を課す発言。第1次トランプ政権前の選挙運動中には中国製品に45%の関税を課すとしたが実際には最大25%の関税に留まった。今回も第1次政権同様に、一部製品に最大2割程度の追加関税率に留まろう。中国景気全般への影響は限定的と考える。
更に、24年末に開催の中央経済工作会議では、25年の経済政策として「更に積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針を示した。成長目標は24年同様に「+5%前後」に設定された模様。米国の関税引き上げのタイミングにもよるが、25年のGDP成長率は4.5~4.8%と予想。ただし、景気が下振れた場合、政府は景気刺激策でGDP成長率を目標へ近づけよう。
◇株価は年後半に持ち直しへ
トランプ関税の実施は年央以降と予想するが、就任直後の可能性も排除できず、25年前半の中国株式市場は軟調な相場展開になると考える。ただし、第1次トランプ政権の追加関税で中国株は株価が下落した後、上昇へ転じたことから、投資家は比較的落ち着いて行動しよう。また、中国政府は景気刺激策を拡充するとみられ、株価は下落しても一時的に留まろう。政策効果が出て来る年後半は中国景気の安定や不透明感の後退等を背景に株価が持ち直すと見込む。
物色対象としては、政府が消費拡大の中でも重視する旅行関連株が幅広く買われよう。また、利下げが25年内に複数回実施されると見込まれ、アリババ集団(09988)等のハイテク関連株も注目を集めるとみる。更に、「自立自強」の推進に伴い、北方華創科技集団(002371)等の半導体関連や医薬品関連、また、米国には負けられない自動運転関連等の株価が政策発表と共に上昇すると見込む。
(12/18記 投資情報部 白岩)