4/8~12の中国株式市場は引き続き堅調に推移すると見込む。
3/31に発表の3月購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が前月比+1.7ptの50.8と、半年ぶりに「景気好調」の領域に入った。春節の翌月は経済活動が本格化するため製造業PMIが上昇する傾向にはあるものの、今年の改善幅は相対的に大きい。また、非製造業PMIも大幅に改善しており、中国景気が持ち直し期に入ったと言えよう。週明け4/1の上海総合指数は前営業日比+1.2%となり、イースター明け4/2の香港市場はハンセン指数が同+2.4%と大幅高となった。このため、従来中国株を売っていた欧米大手ファンドが中国株に戻りつつあるようだ。外国人投資家が主要参加者である香港市場は3月半ば以降、出来高を増やしながら上昇している。
個別銘柄では携帯電話大手の小米(01810)が3/12~4/2に株価が21%上昇した。同社はポルシェやテスラのような"夢の車"を目指し、3/12に同社初の電気自動車(EV)を3/28に発売すると発表。発売から2日間で注文が約8.9万台、4/3には最大8カ月の納車待ちと報じられた。米アップルが今年2月にEV参入を諦めたとみられる中、小米はEV参入宣言から約3年で新車を発売。投資家からも高い評価を得た。
4/16には1~3月GDPと3月主要経済指標が発表予定。3月PMIが示すように3月のハードデータは改善し、GDP成長率も上振れする可能性がある。4/8の週の中国株式市場は翌週に控える経済データの改善を期待し、上昇傾向を維持すると考える。
(4/3記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
美高梅中国控股 (MGMチャイナ・ホールディングス、香港・02282/Z8088)
◆カジノや関連ホテルなどの開発、運営を手がける
◆23年通期の売上高は前年比368.5%増、調整済みEBITDAは前年の12.7億HKDの赤字から72.3億HKDの黒字に転換
◆23年カジノ総粗収益(Gross Gaming Revenue、GGR)は前年比385.0%増加し、19年比0.6%増と回復ピッチが市場全体を上回った。一般向けカジノ収入(GGR に占める割合は79.1%、23年)は同378.7%増と好調だった。市場シェア(GGRベース)は19年の9.5%から23年の15.2%に上昇した。23年以降のカジノライセンスに基づく同社のカジノテーブル数は前期より36%増。また、顧客層拡大のため、32年までに175億HKDをホテル事業などの非カジノ分野に投資する計画。今後市場シェアの拡大を見込む
(参考)マカオカジノ業界の23年状況と24年見通し
◆23年年初の経済再開による移動制限の緩和で、23年のマカオへの旅行者数が増加し、GGRは前年比333.8%増の1830.6億パタカ(MOP)で、コロナ前19年の6割にとどまった
◆24年1~3月のGGRは前年同期比65.5%増の573.3億MOPに伸びた。マカオ政府は24年の旅行者数とGGRは各々3300万人、2160億MOP(19年の7割以上)に達すると見込む
(投資情報部 呉)