4/24~28の中国株式市場は引き続き堅調に推移するとみられるが、週末にかけて若干売りが出る可能性があろう。
4/18に発表された1~3月GDP成長率は前年同期比+4.5%と、昨年10~12月実績(同+2.9%)と市場予想(同+4.0%、Bloomberg)を大幅に上回り、消費がけん引し経済が回復しつつあることを示した。一方、同日に発表された3月の主要経済指標はマチマチな結果。小売売上高は前年同月比10.6%増と、市場予想の同7.5%増を大幅に上回ったものの、固定資産投資や鉱工業生産の伸びは市場予想を下回った。同日の中国株式市場は、本土市場は前日比で上昇したものの香港市場は下落するなどマチマチの反応となった。
経済への影響が大きい新築住宅販売は、3月の販売床面積が2年弱ぶりに前年同月比で増加へ転じ、価格も上昇を続ける。また、不振が続いた携帯電話の生産も最悪期を脱しつつあるようだ。今後は住宅価格の上昇を背景とした資産効果も期待でき、消費回復の裾野が広がろう。4/30に予定される4月購買担当者景気指数(PMI)では景気回復の継続が確認されるとみる。
景気回復の顕在化に伴い、投資家は自信を深めよう。ただ、本土市場は5/1~3(香港市場は5/1のみ)が労働節で休場の予定。長期祝休日を前に週末にかけて若干売りが出る可能性があろう。
(4/19記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
同程旅行控股(トンチェン・トラベル・ホールディングス)(香港・00780/Z8883)
◆各種交通チケットやホテルなどの予約を手がける。 OTA(オンライン・トラベル・エージェント)で中国第3位
◆22年12月期の売上高は前年比12.6%減、純損益は赤字転落。ゼロコロナ政策及び行動規制が主因。ただ、 EBITDAマージンは21.8%で携程集団(トリップ・ドットコム、09961)の11%を上回り、収益力は悪くない
◆23年に入り本格化してきたリオープンに伴い旅行市場は回復中。1~3月期の鉄道旅客輸送量は前年同期比66%増加し、市民の移動ニーズが大きく増えている。23年の国内旅行者数は19年の7~8割程度までの回復が予想される。旅行市場の復活に伴いトップラインが伸びれば同社業績のV字回復が見込めよう
(上海駐在員事務所 奥山)
海底撈国際控股(ハイディーラオ・インターナショナル・ホールディング)(香港・06862/Z8871)
◆中国全土で1371店を展開(22年末時点)。火鍋業界で圧倒的な人気と知名度を誇る
◆22年12月期は2期ぶりの黒字転換を果たした。新型コロナの感染拡大に伴う商機逸失で売上高は前年比20.6%減少したが、店舗網調整(削減)が運営効率を引き上げた
◆23年に入りコロナ感染状況が一服し、1~3月の外食企業の売上高は前年同期比13.9%増。同社もコスト削減を推進、「稼げる体質」を築きつつある。22年の原材料費率は前年比2.5pt低下の41.6%、人件費率は同2.7pt低下の33.0%で同業他社とは対照的。業績底入れ感と中国のリオープンの本格化する23年は収益面で戻りを試す1年になるだろう
(上海駐在員事務所 奥山)