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中国株マーケット情報ネット規制強化の一巡期待でネット関連が物色へ

6/13~6/17の中国市場は堅調な展開が継続しよう。

6/1に都市封鎖を解除した上海市では、新規感染者数が6/6時点で10人と少数にとどまり、順調に推移しているようだ。新型コロナの感染後退に伴い、経済は正常化しつつあり、自動車大手の広州汽車(02238)の新車販売台数は4月の前年同月比34%減から5月は増加へ転じた。また、端午節(6/3~5)の国内旅行者数は前年同期比10.7%減の7961万人と、4月の国内線旅客数の前年同月比85%減(当社推計)、鉄道旅客数の同80%減と比べ、減少幅が大幅に縮小した。

20年11月から続くネット規制についても良いニュースが出ている。配車アプリ最大手の滴滴出行は国家安全上の理由で21年7月に利用者の新規登録が停止されたものの、「政府調査が終わり、近々新規登録停止措置の解除が見込まれる」との観測記事が出た。5/18には李克強首相がデジタル経済と企業の支援を訴えており、中国政府によるネット規制強化の一巡期待が高まっている。

6/15に発表予定の5月主要経済指標は概ね改善が見込まれる。株価は直近の安値から上昇し利食い売りが出やすい状況にあるものの、経済指標の改善を好感し上昇基調を維持しよう。また、ネット規制強化の一巡期待から主要なネット関連株が香港市場で物色されると考える。

 

(6/8記 投資情報部 白岩)

紹介銘柄

京東集団(JDドットコム)(香港・09618/Z8957) 

◆中国最大の小売企業(売上高ベース)。物流に強みを持つ。業務資本提携するウォルマートが大株主に名を連ねる

◆22年1Q(1~3月)は前年同期比18.0%増収(同期間、中国の実物商品のオンライン小売額は同8.8%増)。投資有価証券評価損の計上などが響き、純損益は赤字に転落したが、Non-GAAPベースの調整後純利益は同1.6%増を確保。年間アクティブユーザー数は同16.2%増

◆プラットフォーム経済に対する中国当局の支持表明を受け、ネット大手に対する規制圧力は峠を越えたとの認識が広がった。新型コロナを巡る先行きの不透明感から、個人の備蓄意識が強まり、開催中の大規模ECセール「618商戦」への期待感が高まる

 

(東洋証券亜州有限公司 キョウ

 

百度集団(バイドゥ)(香港・09888/Z9041)

◆中国最大のネット検索エンジン。クラウド、自動運転、動画サイトなど幅広い事業を手掛けている。AI(人工知能)分野の特許出願件数では中国最多を誇る

◆22年1Q(1~3月)は前年同期比1.0%増収、同9.7%減益(Non-GAAPベース)といずれも市場予想を上回った(投資有価証券評価損の計上が響き、純損益は赤字転落)

◆ネット検索で稼いだ安定的な利益をAI技術の開発・応用展開、クラウドや自動運転などの成長事業へつぎ込んでいる。自動運転分野の覇者で、取得した公道試験走行台数と走行距離はいずれも中国で断トツ。自動運転の商業化を加速させており、その成長ポテンシャルは非常に高いと思われる

 

(東洋証券亜州有限公司 キョウ

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