24日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に反落した。終値は前日比758.72pt(3.20%)安の22,901.56ptと、心理的な節目の23,000ptを割り込み、2021年12月20日に付けた昨年来安値(22,744pt)に接近した。下げ幅と下落率は21年9月20日以来の大きさだった。ロシア軍が24日、ウクライナに侵攻した。地政学リスクの高まりを受けて投資家のリスク回避姿勢が強まり、ハンセン指数は午後に下げ幅を広げた。ハンセン指数を構成する64銘柄のうち、9割に当たる58銘柄が下落した。中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団(09988)が上場来安値を更新し、昼休み時間中に決算を発表した香港取引所(00388)も午後に売り込まれた。香港の新型コロナウイルスの感染拡大と行動規制の強化を受け、香港の不動産株や消費株も軒並み下落した。半面、国際商品相場の高騰を手がかりに中国石油天然気(ペトロチャイナ、00857)が3%超上げた。金鉱採掘の紫金鉱業集団(02899)も買いが優勢だった。香港メーンボードの売買代金は1769億香港ドルと1月下旬以来の大商いだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで9億9500万香港ドルの買い越しだった。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前日比92ドル07セント(0.3%)高の33,223ドル83セントで終えた。ロシアのウクライナ侵攻で投資家心理が悪化し、朝方に859ドル安となる場面があった。だが、年明け以降の下げがきつかったハイテク株を中心に押し目買いが入り、午後に下げ渋った。ダウ平均は取引終了間際に上昇に転じた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も6営業日ぶりに反発し、前日比436.098pt(3.3%)高の13,473.585ptで終えた。
25日の香港株式市場でハンセン指数は一進一退か。米国株式市場が反発した流れを受け、買いが先行しそうだが、ウクライナ情勢の先行き不透明感から、リスク回避姿勢を強める投資家などの売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
24日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比59.1901pt(1.69%)安の3,429.9564ptだった。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりを受け、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。ロシア軍が24日、ウクライナの軍事施設への攻撃を開始したと伝わると、海外勢を中心に一段と売りが膨らんだ。上海総合指数は2%超下げる場面があった。酒造や銀行、保険、通信、自動車といった時価総額の大きい銘柄が総じて売られた。ソフトウエアや鉄鋼、セメント、運輸、観光関連株が下落した。半面、原油先物相場の上昇を背景に石油関連株が買われた。軍需関連や金鉱株が上昇した。
上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆3626億元だった。2日連続で節目の1兆元を上回り、2021年9月以来およそ5カ月ぶりの高水準となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで33億5800万元の売り越しだった。個別では、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)などが売り越しとなった。
25日の中国本土市場はもみ合いか。ウクライナ情勢が一段と緊迫化し、本日も引き続き情勢に左右される展開と思われる。緊迫感が緩和されれば、株価は徐々に戻りを試す展開となる可能性もあろう。
(マーケット支援部 林)