2月21日~25日の中国株式市場は、ウクライナ情勢を睨みながら神経質な展開を想定。企業決算の発表も予定されており、その内容にも注目が集まろう。3月5日に全人代の開幕を控え、政策期待等から徐々に底固さを増す動きに期待したい。
中国景気は新型コロナの感染の影響もあり、非製造業を中心に1月の景況感が後退。これを受け金融当局は金融緩和を一段と進めているようで、1月の新規社会融資総量は前年比19%増の6兆1700億元へ拡大した。新規銀行融資では、企業の投資活動に利用されるとみられる企業向け中長期新規融資が同3%増と、21年10~12月の同42%減から伸び率がプラスへ転じており、今後、企業の投資活動の拡大が見込まれよう。新型コロナ対策については、中国の社会科学研究分野での最高学術機関である社会科学院が、新型コロナの過度な予防や管理を控え、景気の安定を更に重視するよう提案した。また、政府はこれまで自国開発製品のみ使用していた新型コロナ関連の医薬品について、2月11日に米ファイザー製の経口薬を緊急承認した。北京冬季五輪という重要イベントが20日に閉幕し、ゼロコロナ政策の若干の緩和を期待したい。3月5日には全国人民代表大会(全人代)が開幕する予定。中国政府は景気安定を重視しているため、消費関連等の景気下支え策が発表される可能性もあろう。
株価指数を運営するハンセン・インデックシズは18日、四半期ごとに行っているハンセン指数の構成銘柄見直しの結果を公表した。レノボグループ(00992)と農夫山泉(09633)の2銘柄を採用し、構成銘柄数を現在の64から66に増やす。構成銘柄の追加は3月7日に発効する予定となっている。
決算発表では、22日にHSBC(00005)、ASMパシフィック(00522)、23日に銀河娯楽(00027)、レノボグループ(00992)、24日に香港証券取引所(00388)、アリババ集団(09988)、ネットイース(09999)、25日に理想汽車(02015)が予定している。内容を見極めながら選別物色が進みそうだ。
(マーケット支援部 井上)
今週の主なスケジュール
21日(月)
中国人民銀行 最優遇貸出金利 1年
1月新築住宅価格(前月比)
休場=米(大統領記念日)、カナダ(家族の日)
ニクソン米大統領訪中から50年
22日(火)
決算=HSBC(00005)、ASMパシフィック(00522)
23日(水)
休場=ロシア(祖国防衛の日)
決算=銀河娯楽(00027)、レノボグループ(00992)
24日(木)
韓国中銀が金融政策発表
米ロ外相会談
決算=香港証券取引所(00388)、アリババ集団(09988)、ネットイース(09999)
25日(金)
休場=フィリピン(エドゥサ革命の日)
決算=理想汽車(02015)