17日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前日比73.87pt(0.29%)高の24,792.77ptだった。16日に公表された1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、米金融引き締め加速に対する過度な警戒感が和らいだ。もっとも香港域内の新型コロナウイルスの感染拡大が投資家心理の重荷となり、指数の上値を抑えた。ウクライナ情勢を巡る警戒感からアジア時間17日の米株価指数先物が急落すると、ハンセン指数も下げに転じる場面があった。バイオ医薬品の薬明生物技術(02269)が大幅高。中国火鍋チェーンの海底撈国際控股(06862)や電気自動車(EV)の比亜迪(BYD、01211)が上昇した。半面、通信の中国移動(00941)が安く、中国ガス大手の新奥能源控股(ENNエナジーホールディングス、02688)が下落した。香港メーンボードの売買代金は1046億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億2300万香港ドルの売り越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比622ドル24セント(1.8%)安の34,312ドル03セントで終えた。下落額、下落率とも今年最大。バイデン米大統領が17日、記者団にロシアがウクライナに侵攻する可能性が「非常に高い」と述べた。ロシアと欧米の対立が激化するとの見方が強まり、リスク回避の売りが出た。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比407.376pt(2.9%)安の13,716.719ptで終えた。
18日の香港株式市場でハンセン指数は上値が重い展開か。香港における新型コロナ新規感染拡大への懸念やウクライナ情勢への警戒は根強く市場全体の重荷となろう。中国で人気の谷愛凌(コク・アイリョウ)選手が本日スキー・フリースタイル女子ハーフパイプ決勝に出場する予定。優勝すれば、谷選手のスポンサーである安踏体育用品(アンタ・スポーツ、02020)にも注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 林)
方向感を欠く展開か
17日の中国・上海株式市場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比2.2049pt(0.06%)高の3,468.0354ptだった。朝方は利益確定目的の売りが先行したが、中国当局による産業支援策への期待から買いが入った。午後にウクライナ情勢を巡る地政学リスクが再燃し、指数は伸び悩んだ。ウクライナ情勢に関する報道を受け、軍需や金鉱株が買われた。環境関連や希土類(レアアース)関連、バッテリー関連株が高い。化学や畜産株の一角が買われた。半面、通信や空運、不動産株が安い。観光関連やメディア株が売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9087億元となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで17億2100万元の売り越しだった。個別では、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
18日の中国本土市場は方向感を欠く展開か。目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)