9日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸した。終値は前日比257.99pt(1.07%)高の24,254.86ptと、心理的な節目の24,000台を回復。11月25日以来の高値を付けた。前日の米株高やこの日の中国・上海株式市場の上昇を受け、投資家のリスク選好姿勢が続いた。これまでさえない展開が目立ったハイテク株に値ごろ感に注目した買いが入り、指数を押し上げた。中国電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)が同2%高。米アップル株の上昇を手がかりに光学部品の舜宇光学科技(02382)などのアップル関連株にも買いが入った。金融株が買われ、不動産株が香港系・中国系ともに上げた。香港メーンボードの売買代金は1251億香港ドルと前日(1161億香港ドル)からやや増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで21億8300万香港ドルの買い越しだった。
9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は横ばいとなり、前日比6セント安の35,754ドル69セントで終えた。前日までの3日続伸で1,100ドルあまり上昇しており、上げ相場をけん引してきた景気敏感株やハイテク株の一角が利益確定売りに押された。半面、ディフェンシブ株が上昇し、指数を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比269.618pt(1.7%)安の15,517.370ptで終えた。
10日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合い展開か。前日の米株式市場でハイテク株が下落したことから、売りが先行する動きとなりそうだが、割安感が株価の下支えとなろう。
(マーケット支援部 林)
反落か
9日の中国・上海株式市場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比35.4737pt(0.97%)高の3,673.0412ptだった。中国政府による景気下支え策への期待が根強く、朝方から幅広い銘柄に買いが優勢となった。香港との証券相互取引を通じた海外投資家による本土株買いの勢いが意識された。引けにかけて216億元を超える買い越しを記録。5月25日以来およそ6カ月半ぶりの多さだった。中国国家統計局が発表した11月の卸売物価指数(PPI)は市場予想を上回ったが、前年比の上昇率は過去最高だった前月から縮小した。これに対し、消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回った半面、上昇率が拡大した。市場では「特に驚きはない」と受け止め、相場への反応は限られた。金融や酒造、食品、医薬株が高く、観光関連や電子部品、不動産株が買われた。電力や石油株も堅調だった。半面、軍需やバッテリー関連、希土類(レアアース)関連株が安い。半導体や石炭株の一角が売られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで216億5600万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなった。
10日の中国本土市場は反落か。中国人民銀行が15日から金融機関の外貨準備率を引き上げる方針を発表した。市場には、「人民銀が人民元の上昇が強すぎ、早すぎると考えていることを示している」という見方もあるようだ。外貨準備率の引き上げは海外資金の投資コストを増加させることにつながることから、海外投資家の動きに注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 林)