18日の香港株式市場でハンセン指数は続落した。終値は前日比330.36pt(1.28%)安の25,319.72ptと、11日以来の安値を付けた。前日の米株安やこの日の中国・上海株式相場の下落で投資家心理が冷え込んだ。時価総額の大きな中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団(09988)が18日の四半期決算の発表を前に売り込まれて指数の足を引っ張り、前日比5.3%安となり、ハンセン指数を110pt押し下げた。テンセント(00700)も下落し、金融株や不動産株、資源株なども軒並み安くなった。香港メーンボードの売買代金は1165億香港ドルと、前日(1097億香港ドル)からやや増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億6800万香港ドルの売り越しだった。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比60ドル10セント(0.2%)安の35,870ドル95セントで終えた。前日夕に発表した2021年8~10月期の決算が失望されたネットワーク機器のシスコシステムズ(CSCO)が大幅に下落し、ダウ平均を押し下げた。半面、半導体株の一角には買いが集まった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比72.139pt(0.5%)高の15,993.710ptで終え、過去最高値を更新した。
19日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。アリババなど決算が芳しくなかったハイテク株の失望売りが膨らむ公算が大きいと思われる。中国の大手不動産管理会社、碧桂園服務(06098)は第三者割当増資計画を発表し、19日に取引再開となる。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
18日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比16.6556pt(0.47%)安の3,520.7106ptだった。前日の米国市場で主要な3指数がそろって下落した。18日の香港市場では成長鈍化の懸念から中国ネット大手株が軒並み大幅安となっており、投資家が運用リスクを避ける姿勢を強めた。香港との証券相互取引を通じた海外投資家による本土株売りも目立った。保険株を中心に金融関連株が総じて下げた。電子部品や半導体関連、ソフトウエア、医療サービス関連株が安い。不動産や観光関連、石油関連株が売られた。半面、非鉄金属株が高い。軍需関連や石炭株が買われた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで44億5300万元の売り越しだった。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
19日の中国本土市場はもみ合いか。中国経済の減速懸念が続いており、目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)