17日の香港株式市場は7営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比63.70pt(0.24%)安の25,650.08ptだった。米中関係の改善につながるとの期待があった両国首脳のオンライン協議が終わったことをきっかけに朝方から利益確定目的の売りが優勢となった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も同0.59%安と7営業日ぶりに反落した。香港メーンボードの売買代金は1097億香港ドルと、前日から16%減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで1億5500万香港ドルの買い越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比211ドル17セント(0.6%)安の35,931ドル05セントで終えた。前日は市場予想を上回る10月の米小売売上高や米企業の好決算などを材料に主要株価指数が過去最高値に近づいたが、17日は目先の利益を確定する売りが優勢だった。クレジットカードのビザが大幅安となったこともダウ平均を下押しした。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが来年1月から英国のサイトでビザのクレジットカードの利用を停止すると伝わり、嫌気した売りが膨らんだ。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、同52.284pt(0.3%)安の15,921.571ptで終えた。
本日の香港株式市場は続落か。前日の米株安が重荷となり、売りが先行しそうだ。特段の手掛かり材料にも乏しく、売り一巡後は様子見ムードが広がりそうだ。
予定では、取引終了後にアリババ集団(09988)が7-9月期決算を発表する。
(マーケット支援部 床井)
売り先行後、一進一退か
17日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反発した。上海総合指数は前日比15.5795pt(0.44%)高の3,537.3662ptと、この日の高値圏で終えた。朝方は小安かったが、米国など諸外国と中国の関係が改善するとの期待から投資家心理が上向いた。中国が2022年の北京冬季五輪後に海外との往来再開に踏み切るとの見方も出て、相場を支えた。自動車やリチウム関連が高い。非鉄金属や化学、軍事関連株も買われた。反面、時価総額の大きい酒造と銀行がともに軟調。保険や電機、小売株も下げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆371億元と、19日連続で節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで2億3900万元の売り越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は反落か。前日の米国株式市場の下落を受けて、序盤は売り先行となりそうだ。目新しい材料に欠ける中で、売り一巡後は一進一退の動きとなろう。
(マーケット支援部 床井)