4日の香港株式市場は8営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日比200.44pt(0.80%)高の25,225.19ptだった。朝方から値ごろ感を意識した買いが先行した。中国本土との往来正常化に対する期待や、米連邦準備理事会(FRB)が3日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに慎重な姿勢を維持したことも、投資家心理を上向かせた。もっとも、8~11日に開かれる中国共産党の中央委員会第6回全体会議(6中全会)を前に、投資家の様子見姿勢も強かった。香港メーンボードの売買代金は1186億香港ドルと前日から小幅に減少し、薄商いが続いた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで9億2700万香港ドルの買い越しだった。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比33ドル35セント(0.1%)安の36,124ドル23セントで終えた。前日まで連日で過去最高値を更新していたため、短期的な利益確定の売りが出た。米長期金利が低下し、利ざや縮小懸念から金融株が下落したこともダウ平均の重荷となった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は9日続伸し、前日比128.724pt(0.8%)高の15,940.308ptと連日で過去最高値を更新した。
5日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合いか。米国株式市場で高値警戒感が意識される中、売りが先行しやすい動きとなりそうだ。目新しい材料が見当たらない中、方向感に乏しい展開になりそうだ。
(マーケット支援部 林)
確りの展開か
4日の中国・上海株式市場は4営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前日比28.3289pt(0.80%)高の3,526.8657ptと、2営業日ぶりに節目の3,500ptを超えた。指数は前日に約2カ月半ぶりの安値を付けており、値ごろ感や自律反発を意識した買いが朝方から入った。中国の李克強(リー・クォーチャン)首相が政策の微調整が必要と述べたと報じられた。香港と中国本土との渡航規制の緩和や、新型コロナウイルス感染を完全に抑え込む「ゼロコロナ」政策のプラス効果持続に対する懐疑的な見方も伝わった。今後の中国当局の政策対応を見込み、景気の減速懸念がやや和らいだのも相場を支えた。時価総額の大きい酒造が買われ、指数を押し上げた。自動車やバッテリー関連、食品、小売株も高い。反面、銀行や保険が安い。石油や鉄鋼、医薬株の一角も売られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで12億400万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
5日の中国本土市場は確りの展開か。全体的には様子見ムードが強いが、有望なテーマ株が物色されやすい環境か。例えば、中国の電力不足の問題が意識されている中、洋上風力発電の新規稼働容量は前年同期比で227%増を記録し、総容量は年内に英国を抜いて世界最大に躍進するもよう。新エネルギーセクターへの注目が続きそうだ。
(マーケット支援部 林)