11月1日~11月5日の中国株式市場は、中国・香港市場共にじわり戻りを試す展開の継続を予想する。政策リスクの一服感もあり、投資資金の市場への再流入も期待される。投資テーマとしては「宅経済(巣ごもり需要)」が意識されそうだ。
中国では11月11日のネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」の日を控える。アリババ集団(09988)系の天猫(Tモール)と京東集団(09618)はすでに10月20日から予約販売を開始。ネット販売に強い小米集団(01810)、美的集団(000333)、海爾智家(06690/600690)に加え、宅配関連で順豊控股(002352)などが動意付く可能性もあるだろう。
一方、10月中旬頃から新型コロナのぶり返しが見られる。1日当たり新規感染者数は10月26日に直近で最多の54人まで増加。実質的な「ゼロコロナ」対策の中国では、オンライン授業やリモート勤務もまたぞろ話題になってきた。巣ごもり需要関連では、成長著しいクラウド分野で金山軟件(03888)や用友網絡科技(600588)が注目される場面もありそう。規制強化が目立つネットゲームでは、テンセント(00700)と網易(09999)の2強の動向を引き続きウォッチしたい。
中国国家統計局が10月31日発表した2021年10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2と、前月より0.4ポイント低下し、好不調の境目である50を2カ月連続で下回った。資源高による企業収益の悪化で受注が伸び悩んだほか、電力制限も生産の足かせになったようだ。同時に発表された10月の非製造業のビジネス活動指数は52.4と、9月から0.8ポイント悪化し、2カ月ぶりに前月を下回った。新型コロナウイルスの感染再拡大で移動制限が広がり、交通運輸や飲食の景況感を下押ししたとみられるようだ。中国経済については「10~12月や22年初めの経済成長も多くのリスクに直面する」と慎重な見方が台頭しており、政策への期待がどの程度醸成されるかがポイントとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
今週の主なスケジュール
1日
10月財新中国製造業PMI
3日
10月財新中国サービス業PMI
7日
10月中国貿易統計