28日の香港株式市場は3日続落した。ハンセン指数の終値は前日比73.01pt(0.28%)安の25,555.73ptだった。28日の中国本土市場で、主要な株価指数や石炭などの商品先物の下落が続き、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。資源・エネルギー関連株を中心に売りが膨らんだ。中国本土と香港との証券相互取引を通じた本土投資家による香港株売買では、朝方に買いが先行したが、午後にかけて徐々に売りが優勢となった。増資を発表したスポーツ用品の李寧(02331)が急落。1~9月期決算を発表した中国平安保険(02318)など、金融関連株が総じて売られた。石炭や本土不動産、非鉄金属、リチウム関連株が下落した。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は4営業日ぶりに小幅に反発し、同0.05%高だった。メインボードの売買代金は概算で1293億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億9200万香港ドルの売り越しだった。
28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比239ドル79セント(0.7%)高の35,730ドル48セントで終えた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われ、指数を押し上げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、同212.280pt(1.4%)高の15,448.118ptと9月7日以来ほぼ1カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
29日の香港株式市場でハンセン指数は一進一退か。前日の米国株式市場が上昇したことが好感され、指数を押し上げる動きとなりそうだが、中国の経済減速懸念が払拭されず、リスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが入ろう。中国では31日に製造業・非製造業PMIが発表される予定となっている。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
28日の中国・上海株式市場は3日続落した。上海総合指数の終値は前日比43.8886pt(1.23%)安の3,518.4166ptと、8月26日以来ほぼ2カ月ぶりの安値を付けた。国内外の商品先物相場の下落を嫌気し、時価総額の大きな資源・素材株が軒並み売られた。28日の日本や香港など海外株安も投資家心理を冷やし、指数は午後に下げ幅を広げた。中国石油天然気(601857)が同6%安となったのをはじめ、石炭株やレアアース(希土類)関連、金属株などが大幅に下げた。金融株や不動産株が売られ、ガス供給など公益関連も下落した。反面、空運株や食品株は買われた。乳業の内蒙古伊利実業集団(600887)は、同業への出資が手がかりとなった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで71億7200万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)が買い越しとなり、北京東方雨虹防水技術(ベイジン オリエンタル ユ-ホン、002271)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)などが売り越しとなった。
29日の中国本土市場はもみ合いか。中国各地でのコロナ感染拡大による経済回復ペースの鈍化などが懸念され、市場全体の重荷になっているようだ。一方で企業決算を好感した買いが株価の下支えとなろう。
(マーケット支援部 林)