3日ぶりに再開される15日の香港株式市場は反発か。14日の米国株式市場で主要株価指数が上昇した流れを引き継ぐ展開となりそうだ。また、ストックコネクト取引再開により中国本土投資家の買い越しも期待できそうだ。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比534ドル75セント(1.6%)高の34,912ドル56セントで終えた。市場予想を上回る米主要企業の決算発表が相次ぎ、投資家心理が改善した。朝方発表の米経済指標を受け、過度なインフレや景気減速への懸念が後退したことも、株式の買い安心感につながった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比251.794pt(1.7%)高の14,823.429ptで終えた。
(マーケット支援部 林)
方向感に乏しい展開か
14日の中国・上海株式市場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前日比3.4828pt(0.09%)安の3,558.2795ptだった。朝方発表の中国の9月の卸売物価指数(PPI)が大幅に上昇し、消費者物価指数(CPI)との上昇率の差も一段と広がった。価格転嫁の遅れが企業収益を圧迫するとの懸念から、幅広い銘柄に売りが出た。反面、中国人民銀行(中央銀行)が前日発表した9月末時点の現預金総額(M2)の伸び拡大や、中国当局の景気対策への期待は相場を下支えした。買いが優勢になり、指数は上昇に転じる場面もあった。銀行や保険が安い。電力や化学、不動産株も売られた。酒造はまちまちだった。一方、自動車や航空が高い。金鉱株や軍事関連銘柄も上げた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は休止だった(15日に再開)。
15日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。原材料の高騰などによる製造部門のコスト上昇懸念が続いており、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。14日の上海と深セン市場の売買代金は4日連続で心理的な節目の1兆元を割れたが、本日はストックコネクト取引が再開することから売買の増加が期待できよう。
(マーケット支援部 林)