休場明け23日の香港株式市場で、ハンセン指数は続伸。終値は前営業日比1.19%高の24510.98ptだった。前日に中国恒大集団(03333)が23日に期限を迎える社債の利払いを実施すると発表した上、中国当局が同社の実質国有化を検討中と伝わり、金融システムや不動産市況の動揺への警戒感が後退した。前日の米株式市場や中国本土市場の上昇も支援要因となった。不動産・建設とエネルギー、情報技術が高く、一般消費財と必需消費財が軟調だった。中国恒大集団は17.62%高と8営業日ぶりに急反発した。同業の融創中国(01918)、雅居楽集団(03383)も大きく買われた。メインボードの売買代金は概算で1789億8000万HKドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億5600万香港HKドルの売り越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比506ドル50セント(1.5%)高の34,764ドル82セントで終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過し、様子見姿勢を強めていた投資家の買いが幅広い銘柄に入った。中国不動産大手の中国恒大集団の債務問題への警戒感がひとまず和らいだことも投資家心理を上向けた。過去2日間の上げ幅は844ドルとなった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比155.397pt(1.0%)高の15,052.244ptで終えた。
24日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。このところ世界的に株価の押し下げ要因となっていた中国恒大集団の債務不安が後退し、前日23日の米株式相場は大幅に上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた相場波乱もなく、香港市場にもリスクを取りやすくなった海外投資家などの買いが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開か
23日の中国本土株式市場で、上海総合指数は3営業日続伸。終値は前日比0.38%高の3,642.22ptだった。深セン成分指数は0.77%高の14387.36pt。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆3214億元だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始表明がなかったことが好感されたほか、債務問題で揺れる中国恒大集団(03333)の再編プランが近く公表されると伝わり、過度な警戒感が後退した。ただ、中国当局による統制強化などを嫌気して上値は重く、大引けにかけて上げ幅を縮小した。製紙と軍事がほぼ全面高となったほか、環境保護や造船なども買われた。半面、化学肥料や石油、化学工業などが売られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで43億900万元の売り越し。個別では、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、中国長江電力(チャイナ・ヤンツァー・パワー、600900)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)が買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
24日の中国本土市場は堅調な展開か。米「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙が23日、消息筋の話として、中国当局が地方政府に対し、巨額債務を抱える中国恒大集団(03333)の破綻に備えるよう指示したと報じた。中央政府は同社の救済には消極的な一方、破綻から派生する経済の混乱や社会の動揺を抑える構えのようだ。政府の管理が行き届いているという認識の広まりは市場の安心感につながると思われる。ニュースフローに注意する必要はあるものの、確りとした動きが期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)