23日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに反発した。終値は前日比507.31pt(1.79%)高の28,817.07ptと、11日以来の水準を回復した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が過去最高値を更新するなど前日の米国株が上昇し、香港市場でも地合いが強気に傾いた。この日の上海株の上昇も投資家心理を上向かせ、指数は午後に一段高となった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同2.66%高の8,020.23ptと3日ぶりに節目の8,000台を回復した。
金融株が軒並み高となり、中国の不動産株や香港の公益株も買われた。中国の自動車株は急伸。東京五輪・パラリンピックの開催が近いとの思惑などを手がかりに、中国スポーツ用品の安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ、02020)は連日で上場来高値を更新した。半面、マカオのカジノ株や中国の医薬品株の一角はさえなかった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1565億香港ドルと前日(1413億香港ドル)から1割増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで3億1600万香港ドルの売り越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比71ドル34セント(0.2%)安の33,874ドル24セントで終えた。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて早期の利上げ観測が後退し、買いが先行した。ただ、今週に入って上昇が目立っていた景気敏感株の一角に利益確定売りが出たことや、5月の新築一戸建て住宅販売件数が市場予想を下回ったことなどが心理的な重荷となった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比18.465pt(0.1%)高の14,271.733ptと、連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は反落か。米ダウ工業株30種平均の下落を受けて売りが先行すると見られる。節目の29,000ptを前に利益確定売りが出そうだ。ただ、ハイテク株に買いが入ると思われ、下値は限定的となろう。
(マーケット支援部 床井)
人民元安が重荷も、輸出関連株には追い風か
23日の中国・上海株式相場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比8.8079pt(0.24%)高の3,566.2199ptだった。米金融政策の先行きへの警戒感がいったん薄れ、23日のアジアの主要株式相場が上昇。中国本土市場でも買いが入った。もっとも、このところの人民元安が重荷となり、指数の上げ幅は限られた。自動車株や素材、小売株が高い。半面、酒造株が下落。銀行株も売られた。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は同0.71%高で、約10カ月半ぶりの高値を付けた。上海と深セン市場の売買代金は4日連続で節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで81億9900万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は軟調か。ただ、足元人民元は対ドルで下落しているため、輸出関連株には追い風となろう。
(マーケット支援部 床井)