15日の香港株式相場は反落した。ハンセン指数の終値は前営業日の11日比203.60pt(0.70%)安の28,638.53ptと約3週ぶりの安値だった。14日の米ハイテク株高を好感し上昇して始まったが、同日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の共同声明などで米中対立の激化が意識され、下落に転じた。中国広東省での放射線漏れの報道も相場の重荷となった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同0.37%安だった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前営業日から1割近く増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億香港ドルの売り越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。前日比94ドル42セント(0.3%)安の34,299ドル33セントで終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を16日に控え、様子見ムードが強まった。相場は過去最高値圏で推移してきたため、持ち高調整の売りがやや優勢だった。前日に1カ月半ぶりに過去最高値を更新したハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比101.286pt(0.7%安)の14,072.857ptで終えた。主力のハイテク株が軟調だった。半導体株も総じて売られた。
本日の香港株式市場は続落か。前日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要株価指数が軒並み下落しており、香港市場でも売りが先行しそうだ。個別では、小米集団(シャオミ、01810)と自動車製造で提携することに言及した自動車・電池メーカーの比亜迪(BYD、01211)への買いの勢いが続くか注目したい。
(マーケット支援部 床井)
軟調に推移か
15日の中国・上海株式相場は続落した。上海総合指数の終値は前営業日比33.1891pt(0.92%)安の3,556.5590ptと、5月24日以来およそ3週ぶりの安値を付けた。中国の対外関係の悪化懸念が投資家心理を冷やしたうえ、16日に5月の主要経済指標の発表を控え持ち高整理の売りが優勢となった。大型株を中心に売りが広がり、指数を押し下げた。大型株で構成する上証50指数が同1%を超えて下落した。金融株や不動産株が軒並み売られ、金属株も大幅に下げた。半面、連休中の消費が活発だったとの観測から消費関連の一角には買いが入った。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆5億元と前営業日から1割減った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで51億5300万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は日中を通じて軟調に推移しそうだ。国内外での重要経済指標の発表が控えており、投資家の慎重姿勢は強まろう。
(マーケット支援部 床井)