7日の香港株式市場は4日続落。ハンセン指数の終値は前週末比130.82pt(0.45%)安の28,787.28ptと約2週間ぶりの安値となった。前週末の米株高を受けて朝方は小高かったが、香港で経路不明の新型コロナウイルスの新規感染者が出るなど中国南部での感染拡大への警戒感は根強く、次第に売りが優勢になった。5月の中国貿易統計が輸出入ともに市場予想を下回ったことも投資家心理を下向かせた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前週末比0.65%安。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前週末から2割超減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで14億4800万香港ドルの売り越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比126ドル15セント(0.4%)安の34,630ドル24セントで終えた。米経済活動の正常化期待から買いが先行し、朝方には一時、5月7日に付けた過去最高値(34,777ドル)を上回った。だが、次第に景気敏感株の一角が利益確定売りに押され、ダウ平均も下げに転じた。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比67.232pt(0.5%)高の13,881.721ptで終えた。
8日の香港市場でハンセン指数は一進一退の展開か。足もとの香港市場では、米中対立の先鋭化や広東省や香港での新型コロナ変異株の感染拡大への懸念が投資家心理の重荷となっているもよう。ハンセン指数は約2週間ぶりの安値をつけており、押し目買いも期待できる水準と思われるが、上値を追うには材料に乏しい状況か。方向感に乏しい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
昨日堅調の半導体株などの上昇が続くか注目
7日の中国・上海株式相場は小幅に続伸した。上海総合指数の終値は前週末比7.6963pt(0.21%)高の3,599.5410ptだった。7日発表された5月の中国貿易統計が市場予想を下回り、投資家心理の重荷となった。上海総合指数は心理的節目の3,600ptに迫っていたため、短期的な利益確定目的の売りも出やすかった。ただ、売り一巡後は酒造株などを中心に押し目買いも入り、前週末の終値を挟み、方向感に欠ける展開が続いた。上海と深セン市場の売買代金は合計で9491億元と、前週末から小幅に増えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで39億7100万元の売り越し。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)などが買い越しとなり、北京東方雨虹防水技術(ベイジン・オリエンタル・ユーホン・ウォータープルーフ・テクノロジー、002271)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
8日の中国本土市場はもみ合いか。中国市場では、中国ハイテク企業に対する米国の圧力が強まるなか、当局が産業支援に動くとの期待が根強い状況となっているよう。昨日堅調だった半導体株などの上昇が続くか注目したい。
(マーケット支援部 井上)