イースター(復活祭)の連休明け7日の香港株式市場でハンセン指数は反落した。終値は前営業日比263.94pt(0.91%)安の28,674.80ptだった。朝方は連休中の世界株高を好感する買いが先行したが、この日の中国・上海株の下落が投資家心理を冷やし、軟調な展開になった。中国本土企業株で構成するハンセン中国本土株指数の終値は同1.30%安だった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も同1.37%安と、ハンセン指数よりも下落率が大きかった。ハイテク関連を含む中国本土銘柄が幅広く売られた。中国当局の金融や不動産に対する引き締め強化への警戒から、中国の金融株や不動産株は軒並み安となった。半面、香港域内の景気回復期待から香港の小売株が高く、半導体チップの価格上昇観測を背景に半導体株も上げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで8億4900万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前日比16ドル02セント(0.04%)高の33,446ドル26セントで終えた。新型コロナウイルスワクチンの普及を受けた米経済再開への期待や、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の長期化観測が相場を下支えた。ダウ平均は過去最高値圏にあり、このところ上昇が目立っていた銘柄への利益確定売りで下げる場面もあった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比9.538pt(0.1%)安の13,688.842ptで終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は反発し、前日比6.01pt(0.1%)高の4079.95と2日ぶりに過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は、中国当局による金融引き締め懸念がくすぶる中、ハイテク関連株は売り圧力に押される地合いを強いられそうだ。ただ、新型コロナウィルスのワクチン接種加速に伴う経済活動の再開への期待感もあり、下値は限定的になろう。
(マーケット支援部 床井)
軟調に推移か
7日の中国・上海株式相場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比3.3418pt(0.09%)安の3,479.6256ptだった。新規の取引材料が乏しく、最近の相場上昇をけん引した高PER(株価収益率)銘柄を中心に利益確定売りが続いた。一方、国際通貨基金(IMF)が6日に改定した世界経済見通しで中国の2021年の成長率を上方修正した。経済回復の傾向は変わらないとの期待から景気敏感株に買いが入り、相場を下支えした。ハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は前日比0.16%高となった。深セン市場では、深セン総合指数と中小企業の多い「創業板」指数がそれぞれ同0.35%、同0.86%下落した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで28億1500万元の売り越しだった。個別では、北京東方雨虹防水技術(002271、ベイジン・オリエンタル・ユーホン・ウォータープルーフ・テクノロジー)、三一重工(600031、サニー・ヘビー・インダストリー)、江蘇恒瑞医薬(ジァンスー・ヘンルイ・メディシン、600276)などが買い越しとなり、宜賓五粮液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は軟調な展開となろう。中国当局による金融引き締め懸念を警戒し、上値に対しては慎重な動きとなろう。>
(マーケット支援部 床井)