31日の香港株式市場は4日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比199.15pt(0.69%)安の28,378.35ptだった。31日の中国本土株が軟調に推移し、投資家心理の重荷となった。本土の不動産や石油、金融株を中心に売りが出た。一方で、ネット株を中心に押し目買いが入り、相場を下支えした。31日に発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から改善したことを好感し、朝方は買いが先行する場面もあった。ハンセン指数を構成する55銘柄は39銘柄が下落し、15銘柄が上昇した。横ばいが1銘柄だった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は小幅に続伸し、0.04%高だった。個別では、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額取引を巡る混乱を受け、足元で下げが目立っていた中国ネット検索大手の百度(バイドゥ、09888)が大幅に反発した。電気自動車(EV)分野への参入を発表したスマートフォンの小米(シャオミ、01810)は小高く終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億700万香港ドルの買い越しだった。
3月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比85ドル41セント(0.3%)安の32,981ドル55セントで終えた。米国の景気回復期待でこのところ上昇が目立っていた景気敏感株の一角に、短期的な過熱感を警戒した利益確定売りが優勢だった。一方、米長期金利の上昇一服を受けて主力ハイテク株に押し目買いが入った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比201.477pt(1.5%)高の13,246.871ptで終えた。
本日の香港株式市場は反発か。前日の米国株式市場でハイテク株が上昇した流れを引き継ぎ、香港市場でもハイテク株を中心に買いが優勢になりそうだ。
日本時間10時45分に3月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表される予定。改善が確認されれば、買い安心感につながろう。
(マーケット支援部 床井)