22日の香港株式相場は続落した。ハンセン指数の終値は前週末比105.60pt(0.36%)安の28,885.34ptだった。米連邦準備理事会(FRB)による大手銀の資本規制の緩和措置終了を受け、19日の米ダウ工業株30種平均が下落し、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。一方で、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は前週末のイベントで、金融政策について「流動性と適切な金利水準を提供する余地がある」と述べた。早急な金融引き締めへの懸念が後退し、本土銀行株が買われて相場を下支えした。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億4100万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比103ドル23セント(0.3%)高の32,731ドル20セントで終えた。米長期金利の上昇が一服し、PER(株価収益率)が高いハイテク株などに押し目買いが入った。一方、JPモルガン・チェースなど金融株が売られ、ダウ平均の重荷となった。19日に米連邦準備理事会(FRB)が銀行の資本規制の緩和を延長しないと発表し、業績への影響を懸念した売りが続いた。22日は長期金利の低下も利益確定売りを促した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比162.307pt(1.2%)高の13,377.542ptで終えた。
本日の香港株式市場は底堅い展開となろう。各国対中制裁の動きは気がかり材料となるものの、米ハイテク株高が追い風となりそうだ。また、業績動向をにらんだ選別物色も活発化しよう。
なお本日は、インターネット検索中国最大手の百度集団(バイドゥ、09888/HK、BIDU/NASDAQ)が香港メインボードに重複上場する。前日のグレーマーケット(上場前の相対取引)では、公募価格比1.11%高の254.80香港ドルで取引を終了した。
(マーケット支援部 床井)
個別は決算見極め
22日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比38.7758pt(1.13%)高の3443.4392ptだった。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁が前週末のイベントで金融政策について「流動性と適切な金利水準を提供する余地がある」と述べ、早急な金融引き締めが景気回復の重荷になるとの懸念が後退した。米中高官協議の終了でひとまず安心感も広がった。ハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は反発し、前日比0.93%上昇した。深セン市場では、深セン総合指数が同1.26%上げ、中小企業の多い「創業板」指数も同1.00%高となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで71億6300万元の買い越しだった。上海と深センの売買代金は合計で7598億元と、前週末からほぼ横ばい。個別では、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、立訊精密工業(ラックスシェア、002475)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなり、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は香港市場同様個別銘柄物色中心の展開となろう。決算発表を手掛かりにした売買となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)