18日の香港株式市場は4日続伸。ハンセン指数の終値は前日比371.60pt(1.27%)高の29,405.72ptと、今月3日以来約2週ぶりの高値となった。米連邦準備理事会(FRB)が17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和の長期化姿勢を示したのを受け、香港市場でも投資資金が流入するとの期待につながり、指数は午前に一時2%近く上げた。ただ、アジア時間18日夕方の米長期金利の上昇が再び金利動向への警戒感を誘い、取引終了にかけて伸び悩む場面もあった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は3日続伸し、前日比1.19%高の8,676.33ptとなった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1745億香港ドルと、前日比17%増。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで45億6900万香港ドルの買い越しだった。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比153ドル07セント(0.5%)安の32,862ドル30セントで取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利政策の長期化がインフレを加速させるとの見方から、長期金利が1年2カ月ぶりの水準に上昇した。長期金利上昇が株価の逆風になりやすいハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄を中心に売られた。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比409.035pt(3.0%)安の13,116.168ptで終え、下落率は2月25日(3.5%安)に次いで今年2番目の大きさとなった。
19日の香港市場でハンセン指数は反落か。米長期金利の急伸などを背景に18日の米株式市場ではハイテク銘柄などが売られ、主要3指数がそろって下落したことが投資家心理の重荷となろう。米国市場ではナスダック総合株価指数の下落率が3%を超えており、香港市場もハイテク株の動向によっては値動きが大きくなりそうだ。米中外交トップ同士の会談が19日までの日程で、米アラスカ州アンカレジで始まったと伝わっている。香港の統制強化や台湾への威圧、人権問題に加え、トランプ前政権が科した中国ハイテク企業への制裁解除などが議題に上ると報じられており、基本的には内容を見極めたいといったムードが強まると思われるが、突発的なニュースで相場が動く可能性には留意しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
米中外交トップ会談が行われており、ニュースフローに注意か
18日の中国・上海株式市場は反発し、上海総合指数の終値は前日比17.5172pt(0.50%)高の3,463.0681ptだった。前日の米国株やこの日の香港株など海外株式相場が上昇し、世界的な金融緩和が続くなかで海外資金が中国市場にも流入するとの期待が強まった。企業の決算発表が本格化しており、業績優良銘柄を物色する動きも指数を支えた。深セン市場では、深セン成分指数の終値が前日比1.11%高の13,963.923pt、新興企業向け市場の創業板指数は同1.64%高の2748.725ptと、上昇率はともに上海総合指数を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで33億1500万元の買い越し。個別では、珠海格力電器(グリー・エレクトリック、000651)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが買い越しとなり、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売り越しとなった。
19日の中国本土市場は軟調な展開か。米国市場が長期金利の上昇で下げた流れは、世界的な金融緩和継続による中国市場への海外資金流入期待に水を差す形となろう。米中外交トップ同士の会談が行われており、ニュースフローには注意が必要となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)