24日の香港株式相場は大幅反落した。ハンセン指数の終値は前日比914.40pt(2.98%)安の29,718.24ptだった。9日以来およそ2週間ぶりの安値を付け、節目の3万を下回って取引を終えた。香港政府は24日、2021年度(21年4月~22年3月)の財政予算案で株式取引に関わる印紙税を現状の0.1%から0.13%に引き上げる方針を発表した。印紙税が引き上げとなるのは1993年以降で初めて。投資意欲の冷え込みを懸念した売りが膨らんだ。中国本土から香港への資金流入が鈍化しているとの見方も投資家心理を冷やした。中国本土と香港の証券相互取引を通じた本土投資家による香港株投資は20年12月18日以来およそ2カ月ぶりの売り越しとなり、金額は199億香港ドルと過去最大を更新した。ハンセン指数の下落率は香港国家安全維持法を巡る米中の対立激化懸念が高まった20年5月22日以来およそ9カ月ぶりの大きさだった。香港メーンボードの売買代金は3530億香港ドルと過去最高を更新した。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比424ドル51セント(1.3%)高の31,961ドル86セントと1週間ぶりに過去最高値を更新した。新型コロナウイルスワクチンの普及で経済が正常化するとの期待から、景気敏感株を中心に買われた。ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比132.768pt(1.0%)高の13,597.966ptで終えた。
本日の香港株式市場は反発か。前日の米株式市場で主要株価指数が大幅に上昇した流れを受け、買い先行の展開となろう。ただ、香港政府が株式取引にかかわる印紙税を引上げる方針を発表したことが投資意欲の重荷となり、株価の上値を抑える要因になりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
反発、直近大幅下落した銘柄を中心に買戻しが入る展開か
24日の中国・上海株式相場は大幅に3日続落した。上海総合指数の終値は前日に比べ72.2774pt(1.98%)安の3,564.0799ptだった。節目の3,600ptを割り込み、8日以来の安値だった。香港政府が2021~22年度の予算案で株式取引に関わる印紙税率引き上げ方針を示したことを嫌気し、香港株式相場が急落した。上海市場に重複上場する銘柄などにも売りが波及し、午後にかけて下げ幅を拡大した。
上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は反落し、1.78%安だった。一方、メディア関連やセメントで上げる銘柄が多かった。深セン市場で深セン総合指数、新興企業向け市場の「創業板」指数はともに大幅に下落し、それぞれ前日比2.03%、同3.37%下げた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで6億7300万元の売り越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなり、科大訊飛(アイフライテック、002230)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、米株式市場でダウ工業株が過去最高値を更新したことを引き継ぎ、高く始まると見られる。直近大幅下落した銘柄を中心に買戻しが入る展開となろう。
(マーケット支援部 床井)