4日の香港株式市場は4営業日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前日比193.96pt(0.66%)安の29,113.50ptだった。アジアの主要株式相場の一部が下落し、香港でも利益を確定する動きが強まった。中国本土(上海、深セン)市場との株式相互取引を通じた中国人投資家による香港株の売買は38億香港ドルの買い越しと、買越額が今年で最少となり、本土マネーの流入が鈍るとの懸念も相場の重荷になった。もっとも、中国本土株が取引終了にかけて下げ渋ったのを受け、一時前日比1.8%安となったハンセン指数も徐々に下げ幅を縮小した。傘下金融会社のアント・グループが事業再編計画で当局と合意したと伝わったアリババ集団(09988)が小幅高。中国平安保険(02318)が決算内容を手掛かりに買われた。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比332ドル26セント(1.1%)高の31,055ドル86セントと2週ぶりの高値で終えた。バイデン米政権による追加経済対策の期待が高まり、良好な米経済指標の発表が続いたことも買いを誘った。金融など景気敏感株の一角が上昇し、相場をけん引した。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比167.200pt(1.2%)高の13,777.743ptと過去最高値を更新。多くの機関投資家が運用の参考にするS&P500種株価指数は4日続伸し、前日比41.57pt(1.1%)高の3,871.74ptで終え、こちらも過去最高値を更新した。
本日の香港市場は堅調な展開か。米国市場の流れを受け、香港市場も買いが先行しよう。春節休暇を前に本土市場からの資金流入ペースの鈍化が予想される中、昨日前日比2.25%安と急反落したハイテク関連で構成されるハンセンテック指数が落ち着きを取り戻す動きとなるかがポイントになりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
流動性のひっ迫懸念再燃で動きづらい展開か
4日の中国・上海株式相場は続落し、上海総合指数は前日比15.4488pt(0.43%)安の3,501.8592ptで取引を終了した。中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作(オペ)で、4日は差し引きゼロと資金供給超としなかった。短期資金の逼迫で人民元建ての上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物や7日物が上昇し、相場の重荷となった。上海総合指数は前日比1.5%安まで下げる場面もあったが、節目の3,500ptを割り込んだ水準では押し目買いが入り、大引けにかけて下げ幅を縮めた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで67億7100万元の買い越し。個別では、京東方科技(BOEテクノロジー・グループ、000725)、ラックスシェア(002475)、上海国際機場(シャンハイ・インターナショナル・エアポート、600009)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イービン、000858)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。好調な外部環境は追い風も、春節の大型連休を来週に控え、短期資金の流動性のひっ迫懸念が再び高まっており、動きづらい展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)