13日の香港株式相場は4営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比41.15pt(0.14%)安の28,235.60ptだった。指数は前日に節目の28,000台に乗せ、約1年ぶりの高値を付けており、短期的な利益確定目的の売りが出た。同日の中国・上海株式相場が軟調に推移したことも、相場の重荷となった。
一方で、中国本土と香港の証券相互取引を通じた本土投資家による香港株投資は21年に入り、8営業日連続で100億香港ドルを超える大幅な買い越しとなった。本土資金の流入観測は投資家心理の支えとなった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで119億700万HKドルの買い越しだった。
13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反落し、前日比8ドル22セント安の3万1060ドル47セントで終えた。主要な米株価指数は過去最高値圏にあり、足元で上げが目立っていた景気敏感株に利益確定売りが出た。バイデン次期大統領が14日に発表する予定の経済対策への期待が投資家心理を支え、下値は限られた。
14日の香港市場は外部環境に目立った手がかりはなく、神経質な値動きを想定する。バイデン次期米大統領が米国時間14日に公表する予定の経済対策に対する期待感があるのと同時に、内容を見極めたいとするスタンスも漂っている。また、トランプ米大統領の弾劾決議案が13日に可決されたことも不安材料。新大統領の就任式を20日に控え、トランプ支持者による抗議行動がエスカレートするとの懸念が強いと思われる。
(マーケット支援部 松川)
【中国本土市場】目新しい買い材料に乏しい中、神経質な値動きか
13日の中国・上海株式相場は反落した。上海総合指数の終値は前日に比べ9.6871pt(0.26%)安の3,598.6518ptだった。指数は12日に節目の3,600ptを上回り約5年1カ月ぶりの高値を付けており、短期的な相場の過熱を警戒した売りが出た。中国では河北省などで新型コロナウイルスの感染者が増えつつあり、2月の春節(旧正月)連休の前に移動制限の対象地域が拡大しかねないとの警戒も相場の重荷となった。原油相場高を受けて中国石油化工(シノペック)など石油株がしっかり。世界的な景気回復予想を受けて、銀行、空運や海運、化学で上げる銘柄が多かった。深セン成分指数は94.605pt(0.61%)安の15,365.427pと反落した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで27億1200万元の買い越しだった。個別では、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイヂョウ・モウタイ、600519)、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、江蘇恒瑞医薬(ジァンスー・ヘンルイ・メディシン、600276)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ-・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
中国国内の環境はそれほど悪くなさそうだ。昨日の香港・本土マーケットは反落したが、足もとの上昇ピッチが速かったことに対する調整の範囲にとどまり、下値は堅かった。今年は第14次5カ年計画(2021~25年)の初年度ということもあり、経済対策に対する期待感が根強いと思われる。
なお本日は、取引時間中に昨年12月の中国貿易統計が公表される予定。事前のコンセンサス予想では、人民元ベースの輸入が前年同月比0.1%増(11月は0.8%減)、輸出が同7.1%増(同14.9%増)で着地する見込みとなっている。 こうした中、本日の中国本土株式市場は全体として神経質な値動きか。目新しい買い材料に乏しい中、上述した中国貿易統計の結果に左右される展開となりそうだ。
(マーケット支援部 松川)