28日の香港株式市場は反落。ハンセン指数の終値は前営業日の24日と比べて71.93pt(0.27%)安の26,314.63ptだった。中国当局によるネット大手への規制強化を受け、中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団が7.97%安となるなど、時価総額の大きい中国ネット大手株が総じて下落し、指数を押し下げた。半面、米国で成立が遅れていた追加の経済対策を巡って、トランプ米大統領が法案に署名したと伝わり、アジア時間28日の米株価指数先物が上昇したことを受け、香港市場にも買いが波及し、指数は上げに転じる場面もあった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで84億1100万香港ドルの買い越しだった。
28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前営業日の24日に比べ204ドル10セント(0.7%)高の30,403ドル97セントと過去最高値で終えた。米政府による追加の経済対策がトランプ米大統領の署名を経て27日に成立し、好感した買いが入った。スマートフォンのアップルなど主力ハイテク株が軒並み上昇し、相場をけん引。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は、94.689pt(0.7%)高の12,899.423pt、S&P500種株価指数は32.30pt(0.9%)高の3,735.36ptで取引を終え、ダウ平均と並び、主要3指数はそろって過去最高値を更新した。
29日の香港市場でハンセン指数は反発か。前日の米ダウ工業株30種平均やナスダック総合株価指数がともに最高値を更新したことを受け、香港市場でも幅広い銘柄に買いが先行しよう。中国政府によるネット企業への規制強化を背景に昨日下げを主導した「ニューエコノミー」関連についても、米国市場でアリババ集団(BABA)やJDドットコム(JD)、テンセントADRの株価が落ち着きを取り戻す動きとなっており、反発が期待できよう。中国経済の持ち直しが意識される中、来年から中国の第14次五カ年計画がスタートすることもあり、経済政策への期待感が支えとなる展開は続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)
中国経済持ち直しを好感する流れは継続か
28日の中国・上海株式市場は小幅続伸。上海総合指数の終値は前週末比0.7228pt(0.02%)高の3,397.2854ptだった。27日発表の1~11月の工業企業利益の伸びが1~10月から拡大し、中国景気が改善しているとの見方が支えとなった。ただ、中国当局によるネット産業への規制強化姿勢は投資家心理の重荷となり、指数は前週末終値を挟み一進一退の展開だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は合わせて成約ベースで4億800万元の売り越し。個別では、伊利実業集団(600887)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)などが買い越しとなり、ハイクビジョン(002415)、江蘇恒瑞医薬(600276)、美的集団(000333)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は堅調な展開か。昨日は中国新車市場の回復傾向や新エネルギー車の販売好調を背景に自動車株の上げが目立った。ネット企業の規制強化や新型コロナウイルス感染再拡大への警戒はあるものの、中国経済持ち直しを好感する流れが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)