13日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に3日続落。終値は前日比12.52pt(0.04%)安の26,156.86ptだった。トランプ米政権が12日に、中国人民解放軍と関係が深い中国企業の株式などを米投資家が購入することを禁止すると発表し、投資家心理の重荷となった。指数は朝方に1%安まで下げる場面もあったが、下値では押し目買いが入り、大引けにかけて下げ幅を縮めた。香港上場のハイテク関連30銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は続伸し、前日比3.02%高。ネット通販の京東集団(09618)が傘下企業でオンライン医薬品販売などを手がける京東健康(JDヘルス)の香港上場が承認されたと伝わり、買われたほか、12日の取引終了後に7~9月期の大幅増益決算を発表した中国ネットサービスのテンセント(00700)も高かった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで31億9400万香港ドルの買い越しだった。
13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比399ドル64セント(1.4%)高の29,479ドル81セントで取引を終えた。前日は新型コロナウイルスの感染拡大を懸念した売りが広がり、300ドル強下落したが、売りがひとまず一巡し、ワクチンの普及が追い風になる景気敏感株を中心に買いが優勢になった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比119.697pt(1.0%)高の11,829.286ptで取引を終えた。
16日の香港市場でハンセン指数は反発か。新型コロナウイルスワクチンの早期普及への期待から前週末の米国株が上昇しており、投資家のリスクを取る姿勢が再び強まろう。また、反政府デモや米中対立、コロナ禍が直撃し苦境に陥っていた香港経済に、輸出やGDPの回復を背景に底入れの兆しがみえてきたとの見方が一部で出てきていることも追い風となりそうだ。香港の指数算出会社の恒生指数(ハンセン・インデックス)社は13日の取引終了後、四半期ごとに定例の指数採用銘柄の見直しの結果を発表した。香港株式市場に上場する代表的な銘柄で構成するハンセン指数に、出前アプリの美団(03690)やスポーツ用品の安踏体育用品(02020)などを新規に採用したほか、中国企業指数には、阿里健康(00241)、SMIC(00981)、海底撈国際(06862)、京東集団(JDドット・コム、09618)、ネットイース(09999)などが新規採用となった。新規採用銘柄には、インデックスファンドによる組み入れ需要を見込んだ買いが入りそうだ。
(マーケット支援部 井上)
中国の主要経済指標をにらんだ展開か
13日の中国・上海株式市場は4日続落となり、上海総合指数の終値は前日比28.5742pt(0.85%)安の3,310.1046ptと、4日以来およそ1週間ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気の回復が鈍化すれば中国経済も悪影響を受けるとの懸念が根強かった。米国との対立先鋭化への警戒も強まり、大型株を中心に売りが続いた。一方で、ハイテク株には、値ごろ感に注目した買いが入った。ハイテク企業の上昇が多い上海の上証科創板50成分指数の終値は同1.66%高の1436.8870pt、深センの創業板指数は同0.23%高の2706.813ptで終えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで49億3900万元の売り越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、京東方科技(000725)、ゴーテック(002241)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、万華化学(600309)などが買い越しとなり、格力電器(000651)、ハイクビジョン(002415)、アイフライテック(002230)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、興業銀行(601166)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は日本時間11時に発表される中国の主要経済指標をにらんだ展開となろう。市場予想では、小売売上高や固定資産投資で伸びが加速する見通しとなっている。
(マーケット支援部 井上)