9日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸した。終値は前週末比303.20pt(1.17%)高の26,016.17ptと心理的な節目の26,000pt台を回復し、7月9日以来4カ月ぶりの高値を付けた。米大統領選で民主党のバイデン候補が当選を確実にし、同国政治の先行き不透明感が後退した。世界的なハイテク株買いの流れを受けて時価総額の大きな中国のネット大手に買いが入り、ハンセン指数は終日、堅調に推移した。ハイテク関連株で構成する「ハンセンテック指数」は、終値が同2.96%高の8394.19ptと過去最高値を更新した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで27億700万香港ドルの買い越しだった。
9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反発した。前週末比834ドル57セント(2.9%)高の29,157ドル97セントと2月以来の高値で終えた。新型コロナウイルスワクチンの承認が近いとの見方が広がり、寄り付き直後には一時1,610ドル高となった。引けにかけて主力ハイテク株への売りが強まり、ダウ平均は伸び悩んで終えた。ワクチン実用化で経済活動の再開が加速するとの見方から景気敏感株に買いが集まった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前週末比181.447pt(1.5%)安の11,713.783ptで終えた。
本日の香港株式市場は、米市場で景気敏感株が買われた流れを引き継ぎ、買い優勢となりそうだ。米ファイザーが9日、新型コロナウィルスワクチンの臨床試験で高い有効性を確認したと発表した。これを受け、経済活動の正常化が進むとの見方から投資家の運用リスクを取る姿勢が強まろう。ただ、巣ごもり消費の恩恵を受ける銘柄からは一時的に資金が流出する可能性があろう。
(マーケット支援部 床井)
ワクチン開発の進展で、景気敏感株を物色する展開か
9日の中国・上海株式相場は大幅に反発した。上海総合指数の終値は前週末比61.5747pt(1.85%)高の3373.7337ptと、9月3日以来およそ2カ月ぶりの高値を付けた。上昇率は一時2%を超えた。米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にした。米国の対中強硬姿勢が続くとの見方は根強いが、トランプ政権時と比べて両国の緊張関係が緩和に向かうとの期待が高まり、半導体関連株を中心に買いが入った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで196億9800万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国中免(601888)、ゴーテック(002241)などが買い越しとなり、国金証券(600109)、格力電器(000651)、京東方科技集団(000725)などが売り越しとなった。本日の中国本土市場は、開発中の新型コロナウィルスワクチンが高い有効性をみせたとの米ファイザーの発表を受け、経済活動の正常化が進むとの期待が広がろう。景気敏感株や、業績が新型コロナの直撃を受けていた銘柄が物色される動きになろう。
(マーケット支援部 床井)