6日の香港株式市場は小幅に続伸。ハンセン指数の終値は前日比17.05pt(0.06%)高の25,712.97ptと、7月13日以来およそ4カ月ぶりの高値だった。米大統領選の結果判明が近いとの見方が、香港市場でも相場の支えとなった。一方でハンセン指数は5日に3.3%上げており、短期的な過熱を警戒する売りも出て上値は重かった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで3億3800万香港ドルの売り越しだった。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比66ドル78セント(0.2%)安の28,323ドル40セントで取引を終えた。ダウ平均は前日までの4日続伸で1,888ドル(7.1%)上昇しており、週末を控えて短期的な過熱感を警戒した持ち高調整や利益確定を目的とした売りが広がった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に5日続伸し、前日比4.30ポイント高の11,895.23ptと、過去最高値を付けた9月2日以来ほぼ2カ月ぶりの高値で終えた。
9日の香港市場でハンセン指数は堅調な展開か。7日(日本時間8日)に米大統領選で民主党のバイデン候補が当選を確実にし、勝利宣言した。大統領選の勝敗の行方がほぼ決まり政治の不透明感が後退したことで、香港市場でも投資家が運用リスクを取る姿勢を強めそうだ。中国税関総署が7日に発表した中国の10月の輸出はドルベースで前年同月比11.4%、輸入は同4.7%それぞれ増え、貿易黒字は584億ドル(約6兆円)となった。10月の製造業および非製造業購買担当者指数(PMI)は、製造業活動の拡大継続とサービス業が上向く様子を示しており、中国の景気回復は10月も続いた可能性が高いと思われる。ハンセン指数は26,000pt台回復を窺う動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りか。政策関連銘柄に注目する動きが継続しよう
6日の中国本土株式市場は5営業日ぶりに反落。上海総合指数の終値は前日比7.9743pt(0.24%)安の3,312.1590ptだった。指数が前日までの4営業日で3%近く上昇していたため、いったん利益を確定する売りが優勢となった。これまで上昇が目立っていたハイテク株に売りが出て、指数は心理的な節目の3,300ptを下回る場面もあった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで39億8100万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、京東方科技(000725)、ラックスシェア(002475)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)、上海汽車集団(600104)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、順豊HD(002352)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は確りの展開を想定。米大統領選で民主党のバイデン候補が当選を確実にし、勝利宣言したことを受け、米国による「中国たたき」が一服すると期待されよう。また、10月末の「5中総会」で決定した第14次五カ年計画や35年までの目標等が徐々に明らかになりつつあり、政策関連銘柄に注目する動きが継続しよう。利益確定売りをこなしながら確りとした動きが期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)