20日の香港株式市場は3日続伸。ハンセン指数の終値は前日比27.28pt(0.11%)高の24,569.54ptだった。中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団が連日で上場来高値を更新するなど、ハイテク株への買いが相場をけん引した。一方で、中国当局が住宅融資の規制強化を関係企業に指示したと伝わり、中国本土の銀行や不動産株が下落して相場の重荷となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで11億4200万香港ドルの買い越しだった。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比113ドル37セント(0.4%)高の28,308ドル79セントで取引を終えた。追加経済対策を巡る米与野党協議で20日、民主党が設定した交渉期限を迎え、何らかの合意に至るとの期待から買いが優勢となったほか、新型コロナウイルスワクチンへの期待も相場を支えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反発し、前日比37.61pt(0.3%)高の11,516.49ptで取引を終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は堅調な展開を想定。米国株市場が反発した流れを受け、香港市場も買い優勢のスタートとなろう。米国の与野党間協議については、香港市場の取引時間中に内容に関する情報が相次ぐ可能性があり、警戒が必要と思われるものの、香港市場については来週26日からの「5中全会」を前に政策期待が支える流れが続くと思われる。政策関連銘柄を物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か。人民元の動向にも注目
20日の中国本土株式市場は反発。上海総合指数の終値は前日比15.4358pt(0.46%)高の3,328.1029pt、深セン成分指数の終値は同182.687pt(1.36%)高の13,603.881ptだった。新興ハイテク株などに値ごろ感からの買いが入り、投資家心理の支えとなった。劉鶴副首相が19日に、次世代通信規格「5G」や仮想現実(VR)などIT(情報技術)分野の振興方針を強調したことが好感された。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで11億1200万元の売り越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、ゴ―テック(002241)、瀘州老窖(000568)、貴州茅台酒(600519)などが買い越しとなり、ラックスシェア(002475)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は確りの展開か。足もとで進む人民元高が投資家心理の支えとなりそうだ。20日の上海外国為替市場で、人民元の対ドル相場は5日続伸。一時6.6798元まで買われ、2019年3月下旬以来およそ1年7カ月ぶりの元高水準を付けた。人民元高は資金流入を連想させることから、株式市場にとってもプラス材料として意識されよう。ストックコネクトを通じた海外投資家の売買動向と合わせ、今後注目される動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)