9日の香港株式相場は小幅に続落した。ハンセン指数の終値は前日比74.22pt(0.30%)安の24,119.13だった。域内の新型コロナウイルス感染の再拡大に対する懸念が、利益確定売りを促した。ただ、中国の大型ネット株が国慶節(建国記念日)連休期間中の好調な利用状況を手掛かりに上昇し、相場の下値は限られた。ハンセン指数を構成する50銘柄中30銘柄が下落し、14銘柄が上昇した。横ばいは6銘柄だった。9月25日以来の高水準。中国本土(上海、深セン)市場との株式相互取引を通じた中国人投資家による香港株売買は買い越しだった。
9日の米株式相場は3日続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比161ドル39セント(0.6%)高の28,586ドル90セントと9月2日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。追加の米経済対策への期待から、景気敏感株などに買いが優勢だった。ただ、経済対策の成立には共和党が過半を握る上院での可決が必要になる。共和党上院トップのマコネル院内総務は9日、野党の主張との隔たりが大きいとして「大統領選前に追加の経済対策で合意できないだろう」との認識を示したと伝わった。早期の経済対策の実現は難しいとの警戒感を誘い、積極的な株買いが見送られた。ナスダック総合株価指数は前日比158.96pt(1.4%)高の11,579.94ptと過去最高値を付けた9月2日以来の高値で終えた。
本日の香港株式市場は、米国の追加経済対策への期待から投資家心理が上向くも上値の重い展開となろう。香港での新型コロナの再拡大による消費不振を警戒する動きにつながり、積極的な買いは入りにくい展開を予想する。ただ、日本時間14日にも米アップルが次世代通信規格「5G」対応のスマートフォン「iPhone」を発表すると伝わっている。新機種発表の期待感から香港でも関連銘柄に買いが入る可能性があろう。
(マーケット支援部 床井)
堅調な展開か。海外投資家の売買動向に注目が集まりそうだ
中国の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休あけ9日の上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前営業日の9月30日と比べて54.0241pt(1.67%)高の3272.0762ptだった。深セン成分指数は同381.814pt(2.95%)高の13,289.262ptだった。連休中の中国国内の消費活動回復を受けて、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引が成約ベースで112.67億元の大幅な買い越しとなり、海外からの資金流入期待も投資家心理を上向かせた。個別では、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、京東方科技(000725)、歌爾(002241)、貴州茅台酒(600519 )、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)、海天調味食品(603288)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は堅調な展開か。中国本土市場は10月26日からの「5中全会」を前に、政策期待が支える相場展開が続くと見るが、海外からの資金流入期待も高まる流れとなれば、良好な投資家心理が続くと思われる。海外投資家の売買動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 床井)