連休明け5日の香港株式市場で、ハンセン指数は続伸。終値は前営業日比1.32%高の23,767.78ptだった。新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領は早ければ5日にも退院すると伝わり、4日に車で一時外出して支持者に姿をみせた。トランプ氏の健康悪化や米政権運営の混乱に対する懸念が後退し、買い安心感につながった。
5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前週末比465ドル83セント(1.7%)高の28,148ドル64セントで終えた。新型コロナウイルスに感染して入院中のトランプ米大統領が5日午後6時半に退院することをツイッターで明らかにし、米政治の混乱への過度な警戒感が和らいだことに加え、追加経済対策の与野党協議が進展しているとの見方も相場を押し上げた。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が5日午前に発表した9月の非製造業景況感指数は57.8と、前月から0.9pt上昇し、市場予想(57.0程度)も上回った。景気の好不調の分かれ目となる50を4カ月連続で上回り、米景気の底堅さが意識された。ダウ平均を構成する全30銘柄が上昇した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も前週末比257.47pt(2.3%)高の11,332.49ptと反発した。
本日の香港市場は続伸しそうだ。トランプ米大統領の健康悪化や米政権運営の混乱に対する懸念が後退したことが投資家心理を上向かせるだろう。昨日は、中芯国際集成電路製造(SMIC.00981)が5日に急落した。下落率は一時8%に迫り、約4カ月ぶりの安値となった。取引先が米国の設備などをSMICに輸出する際に、米商務省の事前許可が必要になったと伝わった。輸出許可がでなければ、工場の新設や増設が難しくなる可能性があり、影響は中国の半導体産業等に広がる可能性があろう。その一方、電子商取引(Eコマース)中国最大手のアリババ集団HD(09988)が2.3%高。複数メディアが5日、「アリババは免税店など旅行者向け小売店で世界最大手のスイス・デュフリー(Dufry)と合弁会社を設立する」と報じられたことが評価されたもよう。アリババ集団については、クラウド事業の黒字化見通しを評価する声もあり、今後も注目を集めそうだ。
(マーケット支援部 床井)
6日は中国本土市場(上海、深セン)が休場。9日に取引を再開する予定
(マーケット支援部 床井)