4日の香港株式市場は3日続落。ハンセン指数の終値は前日比312.15pt安の24,695.45ptと、節目の25,000ptを下回り、8月10日以来約3週間半ぶりの安値を付けた。3日の米国株式市場で大型ハイテク株が軒並み急落した流れが香港市場にも波及した。ただ、大引けにかけて米株価指数先物が上昇に転じると、ハンセン指数も歩調を合わせて下げ幅を縮めた。香港メーンボードの売買代金は2131億香港ドルと、7月7日以来約2カ月ぶりの高水準。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで48億600万香港ドルの買い越しだった。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比159ドル42セント安の28,133ドル31セントで取引を終えた。主力ハイテク株への売りが続いたほか、3連休を控え、利益確定や持ち高調整の売りも出やすく、下げ幅は一時600ドルを超えた。午後に入って下げ渋ったものの、終始不安定な値動きだった。金融など景気敏感株は堅調で、相場を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、一時582.23pt安の10,875.87ptまで下げ、2日に付けた過去最高値からの下落率は2日間で10%近くに達する場面も見られたが、前日比144.97pt安の11,313.13ptで取引を終えた。
今週の香港市場は外部環境を睨みながら落ち着きどころを探る展開を想定。企業業績の発表がほぼ一巡し、主要企業の多くが4-6月に大幅な収益改善を示した。米中対立については、先週末に中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)が米国の「エンティティ・リスト」に追加される可能性が報じられるなど、IT分野を巡り米国の圧力が強まっていることはネガティブだが、大統領選を前にこのような展開を想定している向きは多いと思われ、株式市場の反応も徐々に落ち着きを取り戻すものと思われる。業績改善の目立った銘柄中心に押し目を拾う動きの広がりが想定され、下値も堅い動きを想定する。
(マーケット支援部 井上)
【中国本土市場】下値固めの展開か。9/9から消費促進月がスタート
4日の中国本土株式市場は3日続落。上海総合指数の終値は前日比29.6140pt安の3,355.3666pt、深セン成分指数の終値は同115.716pt安の13,656.657ptだった。前日の米株急落を受けて投資家の高値警戒感が強まり、これまで相場上昇をけん引していた酒造などの消費関連株を中心に利益を確定する目的の売りが広がった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで63億1700万元の売り越し。個別では、京東方科技(000725)、順豊HD(002352)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、歌爾(002241)、中国中免(601888)、貴州茅台酒(600519)、海天調味食品(603288)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
今週の中国本土市場は下値固めの展開を想定。中国では9/9から消費促進月(10/8まで)が予定されている。ネットとリアルを融合し、歩行者天国等で様々なイベントが開催される見通しで、期間中に国慶節・中秋節(10/1-8)もあり、中国政府は、海外旅行に行けない分を国内で消費してもらい、消費回復ピッチを速めたいと考えているようだ。外部環境が波乱含みの展開となることも予想されるものの、中国本土市場は企業業績の回復や消費てこ入れ等を背景に下値を固める展開を予想する。
(マーケット支援部 井上)