14日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に続落。終値は前日比47.66pt安の25,183.01ptだった。取引終了後にハンセン指数の構成銘柄の見直し発表を控え、様子見気分が続いたほか、米中貿易交渉を巡る閣僚級会議が週末にも開催されると伝わり、米中関係の動向を見極めたいとの雰囲気も強まった。中国の7月の主要経済指標が発表されたが、相場の反応は限られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで26億5900万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比34ドル30セント高の27,931ドル02セントで取引を終えた。米経済の底堅さが意識された。出遅れ感のある資本財に買いが入り、ダウ平均を押し上げた。もっとも、米中貿易協議を15日に控え様子見ムードが強かった。
本日の香港市場は上値の重い展開が予想される中、個別銘柄を選別物色する展開か。
米中対立懸念が上値抑制要因として意識されよう。米国と中国は週末に計画していた貿易合意に関する協議を延期した。また、トランプ米大統領は15日、電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングなど、より多くの中国企業に圧力をかけることができるとコメントしたと伝わった。中国企業の海外における事業展開に対しての不透明感がさらに増す流れと言え、警戒要因となりそうだ。
株価指数を運営するハンセン・インデックシズは14日、四半期ごとに行っている主要株価指数の構成銘柄見直しの結果を公表した。ハンセン指数では、小米集団(01810)と薬明生物技術(02269)、アリババ集団(09988)を採用し、信和置業(00083)と中国旺旺(00151)、中国神華能源(01088)を除外。中国企業指数では、小米集団(01810)と美団点評(03690)、アリババ集団(09988)を採用し、国薬控股(01099)とBYD(01211)、中信証券(06030)を除外した。構成銘柄の入れ替えはいずれも9月7日に発効する予定となっている。人気銘柄が順当に採用されており、関連銘柄への中長期的な資金流入期待に繋がりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみ合いか。内需関連銘柄への注目度が高まる流れを想定
14日の中国本土株式相場は続伸。上海総合指数の終値は前日比39.3727pt高の3,360.0988pt、深セン成分指数の終値は同197.690pt高の13,489.009ptだった。保険株や酒造株の一角が午後に急伸し相場を押し上げ、この日の高値圏で引けた。香港との証券相互取引を通じた海外からの資金流入期待も相場を支えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで64億3000万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)、恒生電子(600570)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はもみ合いか。週末トランプ米大統領のより多くの中国企業に圧力をかけることができる旨の発言が伝わったが、プレディクトイットによる大統領当選確率の推移を見ると、中国への圧力を強めることが確率上昇に繋がる傾向が見て取れることから、米国の大統領選を控え、トランプ大統領のこのような言動は当面の間続くとみられる。よって、株式市場の物色対象も不透明感の強いハイテク株や海外で事業展開する企業から、内需主導型経済を志向する中国政府の政策方針のもとでの伸びが期待できる内需関連銘柄にシフトしやすい環境といえそうだ。
(マーケット支援部 井上)