4日の香港株式相場は反発。ハンセン指数の終値は前日比488.50pt高の24,946.63ptと、7月23日以来の高値だった。ハイテク株主導の前日の米株高を好感した買いが優勢となった。中国人民銀行(中央銀行)が、下半期の金融政策はより柔軟化させ的を絞ったものとする方針を3日の会議で示したほか、米中などの製造業の景況感指数が市場予想を上回る改善を示してきていることも、投資家心理を強気に傾けた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで34億3000万香港ドルの買い越しだった。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比164ドル07セント高の26,828ドル47セントで取引を終えた。追加の経済対策を巡る米与野党協議の行方を見極めたいとのムードが強かった。取引時間中に、共和党上院トップのマコネル院内総務が「米政権と民主党指導部が支援策で合意すればその案を支持する」と述べたと報じられると、引けにかけて強含んだ。ナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続伸し、連日で過去最高値を更新した。
本日の香港市場はもみ合いか。米国市場が堅調展開だった流れを引き継ぐと思われるものの、ハンセン指数は昨日急伸したこともあり、利益確定売りが上値を抑えよう。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が事情に詳しい関係者が明らかにした情報として、米中両政府は1月に署名した2国間貿易合意を巡り、中国側の合意履行を評価するため8月15日にハイレベル協議を実施することで合意したと報じている。中国は貿易合意の「第1段階」で米国からの輸入を今後2年間で計2000億ドル(約21兆円)増やすとしたが、現時点では目標達成に必要なペースを大幅に下回っており、協議ではその点が集中的に取り上げられる見通しのようだ。一方で中国側は米政府による中国ハイテク企業の取り締まりについて懸念を示す見込みとも伝わっている。足もと米中関係の悪化が伝わる中、貿易合意は米中両政府が抱える共通の懸念の中でも、互いに向き合って話し合える数少ない課題となっており、開催を前に様々な思惑が交錯する可能性も想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か。個別銘柄の選別物色を想定
4日の中国本土株式市場で主要指数はまちまちの展開。上海総合指数の終値は前日比3.7217pt高の3,371.6875ptと小幅ながら3営業日続伸。深セン成分指数は同104.102pt安の13,860.459ptと3営業日ぶりに反落した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆3728億3200万元だった。中国景気の回復や中長期的な相場の先高観が根強く、買いがやや優勢だった一方で、新規の手掛かり材料も乏しく戻り待ちの売りも出やすかった。中国人民銀行(中央銀行)は3日のオンライン会議で、下半期の金融政策について柔軟性をより高める方針を示した。商業銀行の自主経営権を尊重する方針などを示し、中国工商銀行をはじめとする銀行株が軒並み買われたほか、保険株の上昇も目立った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで21億3700万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)などが買い越しとなり、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、海爾智家(600690)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。全体的に手掛かり材料に乏しい中、決算内容や投資判断情報などを材料に個別銘柄を選別物色する動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)