1日の香港株式市場でハンセン指数は大幅反落。終値は前日比517.69pt(2.19%)安の23085.79ptと、約1週間ぶりの安値を付けた。朝方から前日の米株安を嫌気する売りが出ていたのに加え、午後に入り米株価指数先物が下げ幅を広げると投資家心理が一段と悪化し、下げ幅が拡大した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで29億9400万香港ドルの買い越しだった。
1日の米株式相場は大幅に続落。ダウ工業株30種平均は前日比973ドル65セント(4.4%)安の20943ドル51セントで終えた。新型コロナウイルスの感染者数の増加に歯止めがかからず、人や物の移動制限の長期化による景気懸念が高まったことに加え、米サプライマネジメント協会(ISM)が同日発表した3月の米製造業景況感指数が49.1と前月から1.0ポイント低下し、好不況の境目となる50を3カ月ぶりに下回ったことも市場心理を冷やした。また4月に入り、運用資産に占める株式の比率を元に戻す再調整(リバランス)が一巡したことも需給悪化につながった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も前日比339.516pt(4.4%)安の7360.582ptと大幅に続落した。
本日の香港市場は続落か。新型コロナの世界的な感染拡大と経済活動の停滞が続くなか、米株式相場が連日で下落したことが重荷となりそうだ。3月31日に発表された2月の香港小売売上高は前年同月比44.0%減の227億香港ドルと、減少率が前月の21.5%から急拡大し、過去最大の減少率を記録した。新型コロナ感染拡大の影響が鮮明となった格好で、市場では3月も引き続き大幅な減少が見込まれているもよう。域内に目立った買い材料のない中、米株価指数先物の時間外取引の動向に左右される展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か
1日の中国株式相場は反落。上海総合指数の終値は前日比15.7747pt(0.57%)安の2734.5215pt、深セン成分指数の終値は同10.468pt(0.10%)安の9951.836ptだった。米株価指数先物の下落に追随して、香港や日本などアジアの主要株価指数が午後に下げ幅を拡大。景気対策への期待で午前はおおむね堅調だった中国本土市場でも、次第にリスク回避目的の売りが優勢になった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで42億3600万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、海天調味食品(603288)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、興業銀行(601166)、ハイクビジョン(002415)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、伊利実業集団(600887)、格力電器(000651)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は方向感に乏しい展開を想定。世界景気の先行きが懸念される一方で、中国国務院による新エネ車の購入補助策延長や地方政府特別債の発行積み増しなど、中国国内では景気支援策が伝わっている。方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)