20日の香港市場でハンセン指数の終値は0.16%安の27609.16ptだった。中国人民銀行は毎月発表する最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を引き下げたが、住宅ローン金利の指標となる5年物の下げ幅は予想より小さかったとの見方が広がり、売り優勢となった。一方で中国本土株の上昇を好感して下値は限られた。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで11億8000万香港ドルの買い越しだった。
20日の米国市場でダウ平均は前日比128ドル05セント(0.4%)安の29219ドル98セントで終えた。新型肺炎の湖北省での拡大に終息の兆しが見られず、中国を中心に景気や企業業績の悪化懸念が強まった。
湖北省政府は20日、企業の休業措置を3/10まで再延長すると発表した。1/24に始まった春節(旧正月)休暇を含めると1カ月半以上企業活動が止まることになり、経済への打撃が広がりそうだ。
本日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継いで、軟調な展開を予想する。
(マーケット支援部 飯田)
売り先行の展開か
20日の中国市場で上海総合指数の終値は1.84%高の3030.1542ptだった。節目の3000pt台を回復し、1/22以来およそ1カ月ぶりの高値だった。中国人民銀行が20日に実施した利下げに加え、新型肺炎の拡大に対応した景気下支え策への期待が相場を押し上げた。深セン成分指数も2.43%高の11509.09ptと反発した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで38億9700万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、用友網絡(600588)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475) などが買い越しとなり、内蒙古伊利実業(600887)、恒生電子(600570)、江蘇恒瑞医薬(600276)、珠海格力電器(000651)、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、湖北省でのさらなる感染対策強化を受け、世界景気と企業業績の悪化を警戒する売りが先行しそうだ。
(マーケット支援部 飯田)