19日の香港市場でハンセン指数は0.45%高の27655.81ptだった。中国の金融緩和期待が根強く、中国本土系銘柄を中心に買いが入った。中国人民銀行が20日に実質的な政策金利となっている最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を引き下げるとの期待から、金融株や不動産株を中心に中国銘柄に買いが広がった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで3億500万香港ドルの買い越しだった。
19日の米国市場でダウ平均は4営業日ぶりに反発し、前日比115ドル84セント(0.4%)高の29348ドル03セントで終えた。中国政府の積極的な景気支援策で新型肺炎の経済的な悪影響が和らぐとの見方が広がった。中国事業への懸念から前日に下落したアップルが反発し、中国売上高が大きい半導体関連も軒並み上げた。
新型肺炎を巡っては、中国中央テレビなどによると、中国本土で18日、新型肺炎の新たな治癒・退院者数が初めて新たな感染者数を上回ったと伝わっている。これらの報道を受け、本日の香港市場は全体的にしっかりの展開が予想されよう。
(マーケット支援部 飯田)
買い先行の展開か
19日の中国市場で上海総合指数は4営業日ぶりに反落し、0.32%安の2975.4019ptで終えた。中国の習近平国家主席が今年の経済成長目標の達成に自信を示したことなどを受け、景気刺激策や金融緩和への期待から上昇したが、次第に利益確定売りが優勢となった。上昇が目立っていた深セン市場「創業板」の下落も重荷となった。深セン成分指数も0.63%安の11235.60ptと4営業日ぶりに反落した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで37億4500万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、恒生電子(600570)、内蒙古伊利実業(600887)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、珠海格力電器(000651) などが買い越しとなり、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、新型肺炎の新たな治癒・退院者数が初めて新たな感染者数を上回ったとの報道と、中国政府による景気対策への期待から、買い先行の展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)