12日の香港市場でハンセン指数は続伸し、終値は0.86%高の27823.66ptと、春節(旧正月)連休前の1/24以来の高値となった。中国での感染者の増加数が一時的に縮小しつつある(湖北省以外)との報道が伝わり、新型肺炎の拡大に対する過度な警戒感が和らいだ。上海、深セン市場の上昇も安心感を誘ったようだ。
中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで58億5500万香港ドルの買い越しだった。
12日の米国市場でダウ平均は反発し、前日比275ドル08セント(0.9%)高の29551ドル42セントで終え、過去最高値を更新した。新型肺炎の拡大の勢いが落ち着きつつあるとの見方から投資家がリスク選好姿勢を強め、買い優勢となった。
中国共産党は12日、最高指導部の中央政治局常務委員会を開き、新型肺炎で打撃を受ける経済を支えるため「マクロ経済政策の調節を強める」と決めた。具体的には肺炎による打撃が大きい業種などに的を絞り、時限的な減税策を打ち出すとともに、国や地方がインフラ債券を発行し、民間投資を誘発したり、巨大プロジェクトの建設を加速したりする方針も打ち出した。
本日の香港市場は、中国政府による経済対策への期待から買い優勢の展開となろう。ただ、いまだ湖北省での新型肺炎の感染者数は鎮静化しておらず、今後の状況には留意が必要となろう。
(マーケット支援部 飯田)
買い先行の展開か
12日の中国市場で上海総合指数は7日続伸し、0.86%高の2926.8991ptと、1/23以来の高値だった。新型肺炎の感染者の増加数が一時的に縮小しつつあり(湖北省以外)、投資家心理の支えとなった。新型肺炎の影響で中国の生産活動などが停滞しているなか、政府の景気刺激策に期待した買いが続いた。深セン成分指数も1.60%高の10940.80ptと7営業日続伸となった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで14億8500万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海機場(600009)、三一重工(600031)、珠海格力電器(000651)などが買い越しとなり、用友網絡(600588)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、科大訊飛(002230)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、中国政府の経済対策への期待が支えとなり、買い優勢の展開が予想されるものの、足元で指数は7連騰しており、高値圏では利益確定売りも想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)