16日の香港市場でハンセン指数は3日ぶりに反発し、終値は0.38%高の28883.04ptだった。過去最高値を更新したダウ平均など、15日の米株式相場の上昇が投資家心理の支えとなった。米中は貿易協議で「第1段階の合意」署名式を15日に開いたが、新たな好材料は出なかった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで13億3000万香港ドルの買い越しだった。
16日の米国市場でダウ平均は4日続伸し、前日比267ドル42セント(0.9%)高の29297ドル64セントとなり、連日で過去最高値を更新した。個人消費の堅調さなどが確認され、米景気の底堅さへの安心感から買いが優勢となった。
本日の香港市場は、日本時間午前11時に中国のGDPなど主要経済指標の発表が予定されており、内容を見極めたいとする動きも想定されよう。ただ、内容によっては中国政府による景気刺激策への期待も強くなると予想され、底堅い展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)
しっかりの展開か
16日の中国市場で上海総合指数の終値は0.51%安の3074.0814ptだった。中国が米国との貿易協議の合意文書で、資産運用や保険などの分野で金融市場の開放を約束したのを受け、中国の金融機関が競争にさらされるとの懸念が強まり、銀行株や保険株が下落し、相場全体の重荷となった。深セン成分指数は0.04%安の10967.44ptと小幅ながら3日続落した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで38億4700万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、珠海格力電器(000651)、美的集団(000333) などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、興業銀行(601166)、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、主要経済指標の発表内容を気にしながらも、政策に対する期待感からしっかりの展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)