香港市場
【2月回顧】月前半は強気相場、後半は高ボラ相場
香港市場は、チャイナマネーの流入や米国株高などを背景に月初から強い上昇トレンドを堅持。ハンセン指数は17日に31,000ptの大台を突破し、約2年8カ月ぶりの高値を更新した。ただ、旧正月明けの中国本土株の下落や利食いなどが重しとなり、月後半は相場のボラティリティが急速に高まった。新型コロナワクチンの普及期待などで、グロース株からバリュー株への資金シフトが顕著となった。
個別銘柄では、チャイナマネーの間で人気の高い中国移動(00941)などの通信株が大きく買われた。香港証券取引所(00388)の株価も堅調だった。
【3月見通し】上昇トレンド継続を想定
3月の香港市場は上昇トレンド継続を想定する。チャイナマネーの流入基調が引き続き株式市場の支えとなろう。グロース株のボラティリティは高くなっているが、大きく下落する場面があれば、そこは押し目買いの好機と捉えたい。
本格的な決算発表シーズン入りで、業績相場への移行が進み、個別物色の流れが強まろう。23日に吉利汽車控股(00175)、24日にテンセント(00700)、安踏体育用品(02020)が20年12月期の本決算を発表する予定。
5日から全国人民代表大会(全人代)が開催予定。政策がらみの銘柄に注目が集まろう。
(2/24記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【2月回顧】上海は5年半ぶり高値、後半売り優勢
2月の中国市場で各指数は月中盤までは買い優勢の展開。上海総合指数は春節休暇明けの18日に約5年半ぶり高値の3,731ptまで上昇。深セン成分指数も同日、約5年8カ月ぶり高値の16,293ptまで買われた。中国の1月の卸売物価指数(PPI)が1年ぶりにプラス成長に転じ、経済回復への期待感が後押し材料。ただ、金融引き締めやファンドによる有力株の売却観測から、月後半に利益確定売りが目立った。
順豊控股(002352)が上場来高値を更新。同業買収による国際業務強化が材料視された。科大訊飛(002230)も一気に55元を超え、高値を更新した。
【3月見通し】高まる政策期待、好業績銘柄に注目
深セン成分指数:14,000~16,500pt
3月の中国市場で各指数は戻りを試す展開となりそうだ。全人代(5日開幕)を機に新エネや半導体など政策関連セクターが盛り上がれば相場の下支え材料になりえる。上海総合指数は2月高値を再更新し、3,800pt台までの上昇も視野に入る。ただ、割高感がある大型株は利益確定売りも入りやすいだろう。
月後半に集中する決算発表を機に業績相場の側面も見られよう。20年12月期で最大50%増益見通しの大族激光科技産業集団(002008)などに注目したい。米アップルの新製品発表会の開催で立訊精密工業(002475)なども動意付くか。
(2/24記:上海駐在員事務所 山藤)