香港市場
【3月回顧】ハンセン指数は18年6月の水準を回復
3月の香港市場は高値圏での値動きが続いた。ハンセン指数は19日終値29,466ptと、18年6月以来約9カ月ぶりの高値を付けた。3月相場で同指数は29,000ptを挟んでの値動きとなった。
月初はMSCI新興国指数への組み入れ比率拡大発表や同月開催の全人代で示される政策への期待などが相場を押し上げたと思われる。一方、欧州景気の先行き不透明感や英国のEU離脱問題は欧米投資家にとっての見送り材料として意識されたようだ。
主要企業の決算発表が相次いだことで、業績が相場を左右する要因にもなった。
【4月見通し】売買交錯。中国経済統計に注目
4月の香港市場は売買が交錯しそうだ。ハンセン指数は29,000ptの値固めが続くと思われる。米株市場の好調が続いた場合、海外勢の買いが相場を押し上げる可能性があり、ハンセン指数は心理的節目である30,000pt台回復も視野入りしよう。
4月は中国の1~3月期GDPなど中国景気を占う経済統計が発表される予定。同期間は春節の影響はあるにせよ製造業マインドや貿易の落ち込みが確認されており、その結果を受けての相場への反応が気になる。4月は休場も多いため、見送られる場面もありそうだ。5日は清明節、19日は聖金曜日、22日はイースターマンデーで香港市場は休場となる。
(3/22記:投資調査部 檜和田)
中国市場
【3月回顧】買い優勢も後半伸び悩み
3月の中国市場で各指数は買い優勢で始まるも、後半にかけて上値が重い展開となった。上海総合指数は6日におよそ9カ月ぶりに3,100pt台を回復。深セン成分指数は10,000ptに迫る動きが見られた。投資家マインドの改善に伴い、両市場の1日当たり売買代金が計1兆元の大台を超える日が増えた。同水準の回復は15年11月以来。全人代で打ち出された大規模減税策やインフラ投資強化などの財政出動も好感された。
個別では、貴州茅台酒(600519)が18日に一時814元まで上昇し、上場来高値を更新した。
【4月見通し】インフラや旅行関連に注目
深セン成分指数:9,000~10,500pt
4月の中国市場で上海総合指数と深セン成分指数は現水準でのもみ合いが続きそうだ。年初来の株高ペースが速く、利益確定売りも入りやすい。ただ、前者は3,000pt前後、後者は9,500pt前後で下げ渋る場面が見られるため、下値は限定的だろう。16日に上海モーターショーが開幕、17日に1~3月期GDPなどが発表、下旬には「一帯一路」サミットが開催予定。株価好調な三一重工(600031)などのインフラ関連株に注目したい。5月の労働節連休を前に、航空会社など旅行関連株も物色されそうだ。
4月5日は清明節の祝日で休場となる。
(3/22記:上海駐在員事務所 山藤)