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今月の特集記事【特集2】テクノロジー分野で存在感増す中国平安保険 ~フィンテックやAIなどの分野で世界をリード~

筆者(左)、同社IRマネジャー李欣欣氏(右)

中国平安保険(02318)は深セン市の地方損保からスタートして約30年間で、世界有数の総合金融グループに成長した。近年、クラウドや人工知能(AI)などの先端技術の研究開発及び活用に取り組み、テクノロジー分野でも頭角を現すことが出来た。筆者はテクノロジー事業に焦点を当て、同社のIRマネジャーの李欣欣氏に取材をしてみた。その内容は以下の通りにまとめた。

近年、貴社のテクノロジー事業は大きく注目されていますが、テクノロジーに関する取り組み及び現状を教えてください。

当社CEOの馬明哲氏は約8年前から金融業のデジタル化、新興企業の新規参入を脅威とし、積極的にテクノロジー投資を行ってきた。過去10年間で、テクノロジーの研究開発に約70億米ドル(約7600億円)を投じた。当時は市場関係者の間で批判も多かったが、近年は投資の成果が見え始めている。巨額投資のほか、当社は優秀な人材の採用に積極的に取り組んだ。給与だけではなく、魅力のあるストックオプション制度の導入などで優秀な人材を呼び込んだ。マイクロソフトやIBMなど世界的なIT大手からの転職組も多い。現在、テクノロジー事業に従事する社員数は10万人を超え、研究開発に従事するスタッフは3万2000人に達している。当社は人材の質と量の両面で、テンセントなどのIT大手に見劣りしないレベルまで進化している。なお、今後10年間でテクノロジー分野へ150億米ドル(約1.6兆円)を投じていく計画だ。

テンセントなどIT大手と比べ、貴社の強みを教えてください。

当社は金融会社出身のため、金融事業における顧客基盤・ビッグデータ、活用シーン、規制対応に強みを持っている。また、5大エコシステム(金融・ヘルスケア・カーライフ・不動産・スマートシティ)も構築している。IT企業の本業は金融ではないため、金融機関のPain Point(解決したい課題)をよく理解できず、開発したソリューションが金融業務の課題解決に結びつかないことがある。当社の人工知能などの技術水準が世界的なレベルに進化できた背景には、優秀な人材を有しているほか、膨大な顧客データや活用シーンがあるためと考える。

テクノロジー事業の傘下にはどんな企業がありますか。今後の上場予備軍を教えてください。

テクノロジー事業では、5大エコシステムを中心に10以上のビジネスを展開している。そのうち、陸金所と汽車之家(ATHM)は既に利益に寄与しているほか、平安健康医療科技(01833)も21年には黒字転換する見通し。

テクノロジー事業の傘下では既に3社が株式公開を果たした。香港上場の平安健康医療科技(01833)、米国上場の壱帳通金融科技(OCFT)と汽車之家(ATHM)の3社だ。上場日程は未定だが、インターネット金融プラットフォームの陸金所や医療機関向けのクラウドサービスなどを展開する平安医保科技も上場計画を進めている。この5社の総株式評価額は既に700億米ドル(約7兆6000億円)に達している。また、近年特にスマートシティ事業に注力している。同事業は既に100以上の都市においてプロジェクトを展開している。深セン市政府と提携し、「1個のアプリで都市サービスを享受する」との趣旨で19年1月にスマホアプリ「i深セン」を配信し、市民から高い支持を得ている。同アプリ上では既に約6000項目のオンラインサービスを提供し、中国の新型スマートシティの10大模範例の1つとして選ばれた。ほかのテクノロジー事業はまだ育成の初期段階にあり、今後の発展状況次第で情報を開示していく予定。

グループと各傘下企業間の技術開発に関する分担と連携はどのように行われていますか。

まず、グループ内に先端技術の研究開発の総まとめ役を担う子会社がある。各傘下企業でも研究開発が行われるが、人工知能などの基礎技術の活用が多い。当社は5大エコシステムで膨大なインターネットユーザー数を保有しているほか、ほぼ全ての金融分野において事業を展開しているため、ネットユーザーの顧客化、金融子会社間の相互顧客紹介で顧客獲得コストを低減できる優位性がある。

クラウド技術の強み及び発展計画を教えてください。

当社はもともと自社用の「プライベートクラウド」の構築に取り組んできた。クラウド上に搭載するアプリケーションや機能などの増加に伴い、他社でも利用できると考え「パブリッククラウド」を手掛けるようになった。多くのIT巨頭と比べ、当社は金融分野に強みを持っている。また、ヘルスケアやスマートシティなどの分野においても積極的に展開していくつもりだ。

先端技術の活用で金融事業の付加価値をどのように上げているのか。具体例を挙げてください。

金融商品の設計・開発、マーケティング、顧客サービスの向上やバックエンド業務の効率化など様々な業務シーンで先端技術が活用されている。例えば、生保の保険販売員の一次面接はすべで機械(人工知能)で行われている。当社では、これまで蓄積してきた膨大な販売員情報を人工知能(AI)で分析し、成功する販売員を8タイプに分類し、AI面接で保険販売に適する人材を割り出す。18年にAI面接を導入して以来、累計で500万人以上の面接を行い、その効果は顕著に表れている。以前、採用した販売員の約7割は仕事が合わず辞めてしまったが、その比率は改善している。AI面接の導入により、採用活動のコストも大きく削減している。

「AskBob」というAIなどの先端技術を取り入れたスマートデバイスを販売員に持たせている。商品説明、顧客管理など豊富な機能が付いているため(質問に対する正解率は95%に達した)、販売員の販売活動に大変役立っており、販売員1人当たりの生産性を高めている。当社販売員はスマートデバイスの活用に慣れているため、他社に転職するとかなり不便さを感じるという声をよく耳にする。

AI技術などを取り入れた「スマート・カスタマー・サービス」の導入は、業務効率の向上やコストの削減につながっている。会社側は、今後数年間でコールセンターのスタッフを10分の1に減らす予定。現在、保険営業の電話もAIで行っている。好感度の高い音声の合成技術や自然な受け答えを活用することで、一般の販売員より成功率はかなり良い結果が出ている。

損保事業における主な応用例はありますか。

よく利用されているのは、自動車保険の保険金算定システムだ。保険加入者は、事故で損傷した部分をスマホで撮影し、アプリに転送すれば、機械(人工知能・ビッグデータなど)で車種や製造年などの車の情報を分析する。膨大な車種及び部品のデータベースを有しているため、瞬時に適切な修理代金が算定できる。保険加入者がその算定金額に賛同すれば、その場で保険金を支払うことが出来る。

また「510極速勘察サービス」もよく利用されている。AIなどの技術を活用し、道の渋滞を予測し、事故現場まで早く到着するルートを計測し、5~10分内で事故現場に到着できる。現在、約96%の自動車保険の事故は10分以内で対応できている。

中国当局はP2P金融の規制強化に動き出したが、陸金所への影響はどうお考えですか。

当局によるP2P金融(ネット上で資金の貸し借りを仲介すること)に対する締め付けが強化されたことにより、当社は19年に同事業を停止した。ただ、陸金所全体の売上高に占めるP2P事業の割合は限定的で、規制の影響は小さい。

(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)

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